全米のレッスン市場でナンバー1のシェアを誇る「GOLF TEC(ゴルフテック)」は独自のスイングモーションキャプチャーでゴルファーのスイングを測定しています。腕、肩、腰、など、体の部位が、スイング中の各局面でどのような状態になっているのかを細かく見ているのです。
そのゴルフテックは、自社で集めた3万人のスコアが100を超えるゴルファーと、プロゴルファーのスイングのデータを調査、研究し、その結果を把握しています。そして、その研究したプロとアマの比較データが意味するものを、以下の記事で公開しています。
今回は、その意味するものの解説と、それらに対してどう考えればよいのかについての見解を述べていきます。
※使用クラブに関する記載がありませんが、環境はプロもアマも同じとした研究結果として良いでしょう。
Contents
バックスイングの横の動き
プロとアマの比較
多くのアマチュアゴルファーはバックスイングでスウェイをしています。スウェイとは、ターゲットと反対方向(クラブを動かす方向)に体が動きすぎてしまうことです。プロはアマチュアよりもスウェイをしていることがゴルフテックが公開しているデータで明らかになっています。
プロはバックスイングでターゲット方向(クラブを動かす方向とは反対方向)に腰が平均3.9インチ移動しているようです。アマチュアは腰がターゲット方向に平均2.55インチ移動しているようです。
ゴルフテックの調査結果では、この1.35インチの差により、アマチュアはスウェイをしている、となります。
スウェイする理由
スウェイを防ぐには、多くのアマチュアに当てはまるスウェイをする理由について把握する必要があります。スウェイをする理由はまず、体の全面(顔や胸)をボールと正対したまま、クラブを振ろうとしてしまっていることが挙げられます。
体の前面をボールに向けたまま、スイングしようとすると、体が回らず横に動きやすくなってしまいます。
過度な体重移動の意識も挙げられるでしょう。バックスイングでは前足よりも後ろ足に多めに体重がかかりますが、体ごと乗せこむような意識を持つとスウェイしやすくなります。
あとは、クラブの遠心力に体が持っていかれている、ことも考えられます。バックスイングのクラブスピードはあまり大きくありませんが、そのスピードに体が持っていかれることはあり得ます。
スウェイを防ぐ方法
まず体を回転させましょう。その時、顔や胸の向きを固定せずに、体の回転に従うように適度に向きを変えていきましょう。後ろ足への体重移動は意識しなくても起こるという認識を持っておきましょう。体をうまく回せれば適度に後ろ足に体重が移動します。
さらに、必然的にクラブの遠心力は発生するので、その力に対抗するターゲット方向へ体を移動する力は必要でしょう。適度に体をターゲット方向に動かしながら、体を回すことで、結果スウェイしないバックスイングになりやすくなります。
バックスイングの上半身の傾き(左右)
プロとアマの比較
アドレス時の前傾角度を崩さずにバックスイングしているプロに対して、アマチュアは上半身を水平に、つまり起き上がらせながらバックスイングしています。
ゴルフテックの調査結果では、プロの上半身の傾きは平均36度で、アマの上半身の傾きは平均29.6度でした。その差6.4度。プロはアマチュアに比べて、縦に肩を回しているということす。
起き上がる理由
地面の上にあるボールを打つため、クラブヘッドを上から叩きつけるようなインパクトのイメージを持つと、バックスイングではクラブを持ち上げる(担ぎ上げる)ような動きなり、起き上がりやすくなります。
また、クラブの特徴の影響も考えられます。ゴルフクラブのヘッドは重たいです。よって、バックスイングでクラブヘッドは下がろうとします。クラブヘッドが下がろうとするということは、グリップは上がろうとします。グリップが上がろうとするということは、手元が浮きます。その手元に体がつられると起き上がってしまいます。
起き上がりを防ぐ方法
体幹の側屈(体の左側が縮んで右側が伸びる)動きを意識し、グリップエンドの浮き上がりを抑えながら(グリップエンドを下げるつもりで)、テークバックすると良いでしょう。過度なダウンブローインパクトのイメージは持たない方が良いでしょう。
インパクト時の腰部の回転
プロとアマの比較
胸の回転よりも腰の回転が先行し、腰が開いた状態でインパクトしているプロに対して、多くのアマチュアはダウンスイング中の腰の回転が不足し、プロに比べて腰が閉じた状態でインパクトしています。
ゴルフテックの調査は、プロはインパクト時、腰が平均36度開いているのに対して、アマチュアの腰の開きは平均19.5度。アマチュアはプロの約半分の角度しか腰が開いていない、となっています。
プロは、腰の回転に導かれるように手元が腰から遅れてインパクトしますが、アマチュアは腕に頼ってボールを飛ばそうとしすることで、手元が腰の回転に追いついた状態でインパクトしています。
腰が回らない理由
前足への圧が不足すると、腰は左(右打ちの場合)に回りにくくなります。前足の踏み圧(縦の力)が腰の左回転につながります。腰を横に回そうとするだけでは、イメージ通りの回転になりにくいです。
スイングはつながっているので、インパクトの問題はインパクトだけの問題ではありません。バックスイングでのスウェイも、腰が回らない理由になり得ます。
腰の回転不足を防ぐ方法
プロは、腰が左に鋭く回るだけでなく、切り返しではスクワットするように小さくしゃがむようなアクションが入ります。これが、前足の踏み圧を大きくなっていることの表れです。‟前足の縦出力からの腰の左回転”の意識を高めていきましょう。
横に回すだけでは、効率良いクラブヘッドの加速にはつながりにくいです。前足の踏み圧を強め、前足がやや伸び、体幹の左側が伸びる、このようなイメージを膨らませていけると、腰の回転がよりスムーズになっていくでしょう。
インパクト時の腰のスライド
プロとアマの比較
プロは、後ろ足よりも前足に体重がかかっている状態でインパクトを迎えていますが、アマは後ろ足の方に多く体重がかかっている状態でインパクトを迎えています。
ゴルフテックの調査では、プロはアドレス時よりも平均1.6インチ腰をターゲット方向へ移動させてインパクトしていますが、アマチュアはターゲットから腰を平均0.4インチ遠ざけてインパクトしています
腰のスライドが不足する理由
バックスイングでスウェイすると、ダウンスイングで腰のスライドが不足しやすくなります。クラブヘッドを押さえこむようなアーリーリリースになる力のかけ方をクラブにしてしまっても、体重が右足に残ってしまい、腰がターゲット方向へスライドしにくくなります。
グリップや、アドレス時の足裏への体重のかけ方も、ポイントとして挙げられます。
腰のスライド不足を防ぐ方法
バックスイングでも、適度に前足に体重を残すと良いでしょう。その前足に残った体重(足圧)が適度な腰のスライドを生みます。
バックスイングだけでなくダウンスイングでも体幹の側屈が入ると良いです。体幹の左側が収縮、右側が進展。これがバックスイング時の側屈です。
ダウインスイング時に側屈を入れるためには、左足の踏み圧を使った‟地面反力”を使えると良いです。自然に左脚が伸び、体幹の左側が伸びやすくなります。
インパクト時の両肩のラインの傾き
プロとアマの比較
要は‟ダウンスイング時の体幹の側屈の度合い”ということです。インパクト時の両肩を結んだラインが、プロは平均39度上向き、アマチュアは平均27.5度上向き、とうのが、ゴルフテックの調査結果です。
プロのデータに近づけるためには体重は前足に乗せながら、頭は両足のセンターライン上に位置させる必要があります。
傾きが不足する理由
腰のスライドの有無についてと、密接に関係しています。ターゲット方向への腰のスライドが無かったり、頭がターゲット方向に移動してしまうと、肩の傾きが不足します。
また、クラブヘッドを押さえこむようにリリース(手首の角度の解放)が早くなると、体の右サイド(右肩や右腰)が高くなるため、肩の傾きが不足しやすくなります。
傾き不足を防ぐ方法
ダウンスイングでは左腕のリードでクラブを引いてこれると良いでしょう。左腕のリードにより、左脚や体幹の左側の動きが躍動的になり、適度な両肩のラインの傾きが生まれやすくなります。
バックスイングでスウェイを防いだり、上半身の傾き(左右)不足を防ぐことが、結果的にダウンスイングで両肩のラインの傾きを防ぐことにつながります。
また、クラブを上から下に叩きつけるようなスイングイメージを抑えられると良いでしょう。インパクトからフォロースルーでは、適度に下から上に振りぬくイメージを持てると、体幹の左側が伸びる側屈の度合いが強まりやすくなります。
フォロースルーの上半身の傾き(前後)
プロとアマの比較
上半身を伸ばす、つまり、上半身の反り返りのことをバックベントといいます。そのバックベンドの平均がプロは32度、アマチュアは3.2度というのが、ゴルフテックの調査結果です。
アマはプロに比べて、頭がターゲット方向につっこんだフィニッシュになる傾向にあります。
傾きが不足する理由
フォロースルーはバックスイングやインパクトと密接に関係しています。バックスイングでのスウェイや、インパクトでの両肩のラインの傾き不足も、フィニッシュでのバックベンドの度合いに影響します。
ボールに対してクラブヘッドを直線的にぶつけに行くと、バックベントが不足しやすくなります。そうなる場合、左手の親指や、右手の人差し指や親指が強く効きすぎている場合が多いです。
傾き不足を防ぐ方法
グリップから確認が必要があります。左手の小指と薬指を主にグリップしているか確認しましょう。そして、テークバックやバックスイングから確認しましょう。
バックスイングで適度に左足に圧が残り、スウェイしなければ、ダウンスイングで左足での地面反力が生まれ、左脚や体幹の左側が伸びやすくなります。フィニッシュでバックベントが入りやすくなります。
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