ストレートボールが理想というわけではありませんが、ストレートボールになる理由について理解を深めることは重要です。「インパクトでどういうことが起こるとまっすぐ飛ぶのか」を知ることは、あらゆる点で大きな役に立ちます。「なぜまっすぐ飛ぶのか」を知ることは、「なぜ曲がるのか」を知ることにつながります。
イメージ通りのショットにならなかった時に、そのショットの因果関係について正しくフィードバックするために「なぜ」を知ることが大切です。
また、ツアー選手には持ち球があります。右に打ち出して左に曲がるドローボールや、左に打ち出して右に曲がるフェードボールを打っています。持ち球を持つことは有効なのです。
持ち球の質を上げるためにも、打ったショットの弾道に関する理解を深める必要があります。
弾道はインパクトクラブヘッドの軌道だけで決まるわけではありません。フェースの向きと打点も影響します。
ストレートボールになるのは次の3パターンが考えられます。
- ヘッド軌道:ストレート、フェース向き:スクエア、打点:センター
- ヘッド軌道:インサイドアウト、フェース向き:クローズ(左)、打点:ヒール寄り
- ヘッド軌道:アウトサイドイン、フェース向き:オープン(右)、打点:トゥ寄り
D-PLANE
もうかなり前になりますが、弾道測定器TRACKMANの登場により、インパクト時のフェースの向きが打ち出し方向に最も大きく影響する、ということが明らかになりました。
インパクト時のフェースとヘッド軌道が作る平面についてまとめた理論を「D-PLANE理論」と言います。
D-PLANE理論登場までは、「ヘッドを振り出す方向にボールが打ち出される」とされ、ヘッド軌道が打ち出し方向に最も影響を与えるという考えが一般的でした。
弾道が決まる3つの要素
飛距離は3要素で決まります。ボール初速、打ち出し角、スピン量です。そして弾道も3つの要素で決まります。ヘッド軌道、フェース向き、打点です。
「ヘッド軌道:ストレート、フェース向き:スクエア、打点:センター」がストレートボールになることは、容易に理解できると思いますが、それ以外になると少し考える必要があります。
打ち出し方向は、フェース向きが7~8割影響し、ヘッド軌道が2~3割影響します。例えば、フェース向き:約1°オープン、ヘッド軌道:約4°アウトサイドインで打ち出し方向がストレートになります。ただこれでは、打点がフェースセンターの場合、ヘッド軌道に対してフェースが開いているので、スライスしてしまいます。
打点がトゥ側になることで、スライスが抑えられたストレートな球筋になります。打点がトゥ側の場合、ギア効果でフック回転がかかるからです。もちろん、どの程度トゥ側か、によって、スライスが抑えられる度合いは様々です。
ヘッド軌道:ストレート、フェース向き:スクエア、打点:センター
ヘッド軌道:インサイドアウト、フェース向き:クローズ(左)、打点:ヒール寄り
ヘッド軌道:アウトサイドイン、フェース向き:オープン(右)、打点:トゥ寄り
正しくフィードバックするため
ストレートボールをイメージする場合、インパクトでは、ヘッド軌道:ストレート、フェース向き:スクエア、をイメージするでしょう。
結果、ストレートボールを打てた時に、どういうフィードバックができるかが重要なポイントになります。アウトサイドインでもフェースの向きや打点次第では、綺麗なストレートボールになる場合があります。
そうなったショットを打った時に、ただ満足するのか、内容を疑うのかでは、その後の取り組みの質が変わります。疑えた方が、因果関係を整理しながら進めていけます。
「ショットはイメージ通りだけどインパクトではイメージとかけ離れたことが起きているかもしれない」という考えがベースにあると良いでしょう。
感覚でヘッド軌道、フェース向き、打点を把握することは難しいです。ですが、フェースに貼ると打点がわかるショットマーカーを使えば、打点がわかります。球筋と打点が分かれば、ヘッド軌道とフェース向きがぼんやり見えてきます。