インパクトで前傾角度が維持できない理由

ZOZOチャンピオンシップ 石川遼 インパクト

崩れやすい前傾角度

多くのゴルファーはインパクト時に前傾角度(前傾姿勢)が崩れてしまっています。インパクト時にお尻が前に出て、アドレス時の骨盤や上体の前傾角度が浅くなりすぎてしまっているのです。一方、ツアー選手の多くはこの前傾角度がある程度保たれています。

前傾角度が浅くなってしまうと、インパクトで手元が浮きます。手元が浮くと基本的にはフェースが開きスライスします。そして、開いたフェースを無理やり返す動きが入る場合があるので大きくフック(チーピン)することもあります。

前傾角度が崩れる理由

この前傾角度の崩れは、なぜ起きてしまうのでしょうか。下記の4つが可能性として挙げられます。

前傾角度が崩れる理由
  • 当てる意識が強まり、ダウンスイング初期に身体がボールに近づく。身体がボールに近づくと、クラブヘッドをボールに当てるためには、前傾を浅くして手元を浮かさないといけなくなる。
  • 腕でボールに当てに行くアクションにより手が身体から離れる。手が身体から離れると、前傾を浅くして手を浮かせないとクラブヘッドをボールに当てられないため、前傾が浅くなる。
  • ダウンスイングではクラブの重心の関係でクラブフェースが開く。そのフェースが開く力に持っていかれて手が浮く。浮く手に上体が持っていかれて前傾が浅くなる。
  • ダウンスイングでは前方(ボール方向)へのクラブの大きな遠心力が発生する。その遠心力に手や身体が持っていかれて、手がボールに近づきすぎてしまう。手がボールに近づくと、手を浮かさないとクラブヘッドをボールに当てられない。手を浮かすためには前傾角度を浅くせざるをえなくなる。

スマホなどで自分のスイングを撮影した時に、ツアー選手のそれと比較して前傾角度が崩れていることは認識しているゴルファーは多いと思います。しかし、そのまま「前傾角度を維持する」という意識でショットしても、前傾角度を維持することは難しいでしょう。

どういうものがどのように作用して前傾角度が崩されているのか、どの方向にどのような力が働いているのか、について理解することで前傾角度を維持しやすくなります。

前傾角度の維持について、下記の記事でまとめられていますのでご一読ください。

ツアー選手のように前傾角度を維持するために必要なこと(SPAIA)
目次
  • インパクトで前傾を維持
  • 前傾維持の効果
  • 前傾が崩れる理由
  • 前傾維持のために必要なこと

インパクトで前傾を維持
アドレスでは通常、上体を少し前に傾けた前傾姿勢を取る。ツアー選手はこれがインパクトまで維持されている。
アマチュア時代に国際大会で外国のコーチから「完璧なスイング」と評された西村優菜は、フィニッシュまで前傾角度を維持している。因みに、西村は10月30日から11月1日に開催された三菱電機レディスで初優勝を挙げたミレニアム世代。
一方、アマチュアゴルファーの多くはこの前傾維持が難しいようで、インパクトではお尻が前(つま先側)に出て上半身が起き上がり、前傾角度が浅くなってしまう。