今シーズン、女子プロゴルフツアーに旋風を巻き起こしているのが「黄金世代」です。黄金世代とは、1998年4月から1999年3月に生まれた女子プロゴルファーのことを言います。
2019年(9月19日現在)までにツアーで優勝経験のある選手は9名です。20歳までにこれだけの人数が優勝経験のある世代は他にありません。とてつもない優勝人数と優勝回数です。
黄金世代の選手
2019年現在、レギュラーツアーで戦っている黄金世代の選手を中心に紹介したいと思います(※黄金世代全員ではありません)。
- 畑岡奈紗(1999年1月13日)
- 渋野日向子(1998年11月15日)
- 勝みなみ(1998年7月1日)
- 原英莉花(1999年2月15日)
- 河本結(1998年8月29日)
- 小祝さくら(1998年4月15日)
- 大里桃子(1998年8月10日)
- 新垣比菜(1998年12月20日)
- 淺井咲希(1998年6月13日)
- 植竹希望(1998年7月29日)
- 小倉ひまわり(1998年7月25日)
- 松原由美(1999年2月22日)
- 吉川桃(1998年5月20日)
- 吉本ひかる(1999年2月25日)
- 西畑萌香(1998年4月12日)
- 小滝水音(1998年7月7日)
- 臼井麗香(1998年12月7日)
- カリス・デイビッドソン(1998年7月7日)
- 木下彩(1999年1月13日)
- 高橋彩華(1998年7月24日)
※()内は生年月日
黄金世代で2018年と2019年に優勝経験がある選手
- 畑岡奈紗(1999年1月13日)
- 渋野日向子(1998年11月15日)
- 勝みなみ(1998年7月1日)
- 原英莉花(1999年2月15日)
- 河本結(1998年8月29日)
- 小祝さくら(1998年4月15日)
- 大里桃子(1998年8月10日)
- 淺井咲希(1998年6月13日)
- 新垣比菜(1998年12月20日)
黄金世代では9人が、2018年と2019年の内どちらかに(畑岡選手は両方)に優勝経験があります。
黄金世代が進化したきっかけ
宮里藍さんの存在
宮里藍さんのことはゴルフファンであれば誰もが知る存在でしょう。日本女子ツアーで、2003年、高校3年生のアマチュアの時に出場した、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで優勝し、即プロ転向、2004年5勝、2005年6勝します。
その後、世界最高峰のツアー、USLPGAツアーに参戦。2009にエビアン・マスターズで同ツアー初優勝を挙げると、その後2012年までに9勝を挙げ世界ランク1位の座を獲得します。
宮里藍さんが世界ランク1位になったのが2010年。黄金世代は12歳。「将来の夢はプロゴルファー」という夢を明確に描いていてもおかしくない年齢です。
そんな時に宮里藍さんが世界ランク1位、となると黄金世代のリアルな目標や憧れとして「女子ゴルフ界のスター宮里藍」が頭の中にあったことは想像に難くありません。
単にプロゴルファーを目指す、ことと、リアルにイメージできる高い目標がある上でのプロゴルファーを目指す、では取り組み方に差が出るでしょう。そういった点で、宮里藍さんの存在は大きなものだったのではないでしょうか。
勝みなみがアマチュア15歳でツアー優勝
先述の「宮里藍」という目標となる存在、だけであれば、黄金世代の1つか2つ先輩にあたる世代も同じでしょう。では、なぜその世代が黄金世代のような目覚ましい活躍をしていないのか。
それは2015年、勝みなみ選手の「アマチュア15歳でツアー優勝」という偉業が大きかったのではないでしょうか。
プロツアーやプロゴルファーというものが遠い存在だったものが「あの子ができるなら私も」と、高校初期の段階からより現実的な目標や夢としてとらえはじめた選手も多くいるでしょう。
畑岡奈紗が17歳で日本女子オープン優勝
先述の勝みなみ選手の優勝にプラスして、今度は2016年の「アマチュア17歳、畑岡奈紗選手の日本女子オープン優勝」です。
アマチュアの、ましてや高校生のツアー優勝でもとてつもない偉業であるのに加え、畑岡選手が獲得したタイトルはナショナルオープンです。
日本女子オープン優勝までの、畑岡選手の戦績を見ると、ナショナルチームに入るだけあり、権威あるアマチュアの大会で好成績を収めていて、同世代の中で一目おかれる存在だったでしょうが、同世代の選手からすると「私だってできる」と奮い立ったことでしょう。
選手1人が奮い立てば、その周りにいる選手も奮い立ちますよね。その連鎖が「黄金世代」を生んだのではないでしょうか。
才能が集まった運
他にも才能が集まっていた世代はあったと思います。しかし、黄金世代が黄金世代になりえた理由は、才能に運がうまく合わさったことが挙げられるでしょう。
すべての始まりは、先述した勝みなみ選手が15歳でアマチュアながらツアー優勝を果たしたことでしょう。
黄金世代(この頃はまだこう呼ばれていなかった)の選手たちは、「あの子ができるなら私も」と、より真剣にゴルフに取り組んだことと思います。
1歳下の世代だと「先輩だし」とどこか他人事にとらえがちでしょうし、1歳上だと、同級生による「あの子ができるなら私も」という心理とは少し違うものになりがちでしょう。
”同級生”ということに大きな意味があります。さらに、17歳の畑岡奈紗選手が、日本女子オープンという日本ツアーで最も権威のある大会で優勝したことで、黄金世代の選手たちは、さらに尻を叩かれた思いだったはずです。
しかし、そんな勝選手や畑岡選手もまた、中学や高校時代に試合で思うような結果を残せず、他の黄金世代の選手たちの前に涙をのんだこともあったかと思います。
その経験をかてに、ツアー優勝へと突き進んだのあれば、才能と才能の相乗効果で底上げされたのでしょう。黄金の原石が、黄金色に磨きあげられたのにはそれなりの要因があったのです。