9月10日から日本女子プロゴルフ選手権が開催されました。優勝したのは永峰咲希選手。メジャー初優勝となりました。そして、今回の大会を盛り上げたのが田辺ひかり選手です。最終日、一時抜けだした永峰選手を追いかけ、最終18番ホールまでどうなるか分からない展開の立役者となりました。結果2位タイでした。
田辺選手は黄金世代の1学年上。期待されていたようですが、目立った成績を挙げられないでいました。最近は同じ広島出身で、昨シーズン限りで現役を引退した佐伯三貴氏の指導を受けているようです。
佐伯氏の指導がフィットしているのか、今季は安定した成績を残しています。NEC軽井沢では予選落ちしましたが、アース・モンダミンカップとゴルフ5レディスでもトップ20に入っています。
田辺選手には特徴があります。それは、クラブを短く握るという点です。男子ツアー2年連続賞金王の今平周吾選手がクラブを短く選手として有名ですが、日本女子プロを見る限り、短く持つ度合いは、シャフトぎりぎりを持っていた田辺選手の方が強いかもしれません。日本女子プロでは柏原明日架選手なども短く持っていました。
過去のプロになってからの画像をチェックしていても田辺選手は短く握っています。アマチュアの時も短く握っていたようです。ただ、日本女子プロほどではなく、グリップを少し余らせる程度か、グリップの真ん中あたりを握っていました。
一般的な理論としては短く握るとショットの方向性は出しやすい、とされています。その時の調子や、状態によって、長さを変えているのですかね。
今平周吾選手は「クラブを短く握った方がヘッドが走る気がする」と述べています。物理的には長く持った方がヘッドが走るのですが、このあたりは選手独自の感覚によるものが大きいようです。
田辺選手が短く握る理由については分かりませんが、先述したように方向性が出しやすいというのはあると思います。さらに、短く握った方がグリップがしっくりくる、ということもあるかもしれません。グリップは均一の太さではありません。グリップエンドが最も太く、そこから少しずつ細くなっていきます。よって、細い箇所を握った方が手にフィットする、ということは十分に考えられます。
いずれにせよ、今季好調の田辺選手はニューヒロインになりうる選手。引き続き注目していきたいと思います。