スイング軌道とボールの飛び方にはどのような関係性があるのでしょうか。ボールを目標方向へ飛ばすためには、インパクトの瞬間、次の4つの条件を満たしている必要があります。
- クラブフェースは目標線に対してほぼ直角
- クラブヘッドの軌道が目標線と一致
- ボールを正しくとらえられる入射角
- クラブフェースの打点がフェースセンター付近
1.クラブフェースは目標線に対してほぼ直角
インパクトの瞬間は、クラブフェースの面が目標線に対してほぼ直角(スクエア)でなければなりません。目標に対してストレートボールを打つ場合は「ほぼスクエア」ではなく「スクエア」である必要がありますが、単に目標にボールを飛ばす場合、必ずしもストレートボールを打つ必要はありません。
よって、「正しいインパクトのための条件」として適正なのは「”ほぼ“スクエア」とします。
TRACKMANなどの弾道測定器の登場で生まれた「新飛球法則」などにより、ドローボールやフェードボールなども良しとするのならば、インパクト時、クラブフェースの向きはスクエアでなくても目標へボールを飛ばすことが可能であることが分かりました。
ドローボールやフェードボールで目標方向へボールを飛ばす時は、インパクト時のフェースの向きはスクエアではありません。
とはいうものの、ボールを曲げて目標方向へボールを飛ばすにしてもフェースの閉じ具合や開き具合は限度があります。よって「ほぼスクエア」である必要があります。


2.クラブヘッドの横の軌道が目標線と一致
スイング中、クラブヘッドの横の軌道は円軌道を描きますが、インパクトの瞬間は、クラブヘッドの横の動きが目標線と一致していなければなりません。クラブヘッドが正しい軌道を外れると、ボールは左右に飛び出します。
スクエアな軌道は「インサイドイン」とされていますが、フェースの向き次第では「インサイドアウト」「アウトサイドイン」でも、目標方向にボールを飛ばすことができます。
①の「フェースの向き」と②の「クラブヘッドの軌道」の兼ね合いで、目標方向にボールを飛ばせるか否かがほぼ決まります。


3.ボールを正しくとらえられるクラブの入射角
フェースの重心でボールをとらえられるよう、クラブヘッドは正しい入射角でインパクトを迎える必要があります。
入射角が正しくないと、ボールは正しい弾道で真っすぐに飛んでいきません。トップやダフリのミスになり、思うような飛距離を出すことができません。
使用クラブや、ボールの位置などによって、理想的な入射角は異なります。


4.クラブフェースの打点がフェースセンター付近
ボールをクラブヘッドのスウィートスポットから外れたところでとらえてしまうと、ギア効果により、ボールの飛び方にブレが発生します。
クラブによっては、スウィートスポットから外れてもブレの発生を抑える工夫がされています。しかし、その工夫にも限度があり、ボールは「クラブフェースのセンター”付近”」でとらえる必要があります。


1つでも欠けると目標に飛ばない?
原則、どれかひとつでも目標方向にボールを飛ばせません。また、目標までボールが届きません。しかし、これら4つの条件のうちの「曲がる要素」を「反対側に曲がる要素」で打ち消し、結果、目標方向にボールが飛ぶ、ことは起こります。
例えば、クラブヘッドの軌道がスクエア、クラブフェースが少し閉じてインパクトすると、基本的にはボールは左に飛びます。ただ、打点がセンターより少しヒール寄りになると、右に飛ぶ要素が加わることになり、結果、ボールは目標方向に飛ぶことがあります。
複雑ですね…
こういったことがゴルフというスポーツを難しくしているのですが、逆にいえば、こういうことと向きあうことが、ゴルフを楽しむ、ということに繋がります。
「正しいインパクトのための4つの条件」を頭に置きながら、ゴルフに取り組んでください。