山下美夢有、西郷真央、稲見萌寧 2022年日本女子トップ3の統計データ

LPGA 日本女子プロゴルフ協会 女子

日本女子プロゴルフツアーは、2022年シーズン最終戦のリコーカップが終わり、全日程を終了しました。そして、各ランキングも決定。今季からは賞金ランキングではなく、メルセデス・ランキング(以下MR)によりシード権や賞金女王が決定しました(※)。

今季のMR1位は山下美夢有選手、2位は西郷真央選手、3位は稲見萌寧選手となりました。今回はこのMR上位3名の統計データ(スタッツ)が昨季からどのように変化したのかを分析した結果について解説します。

※2019シーズンまでは賞金ランキングにより諸々決定。2020-2021シーズンは賞金ランキングとMRにより諸々決定(年間女王は賞金ランキング)。2022年シーズンからはMRにより諸々決定。

トップ3の統計データ

山下美夢有

山下選手のデータはほとんどの項目が昨年を上回り、パーオン率が75%を超えて1位。上記の表にはありませんが、パーオン率とトータルドライビング(ドライビングディスタンスとフェアウェイキープ率を合算した値)を合算したボールストライキングも1位となり、総合的なショットの精度はナンバー1といえる結果となりました。

また、昨シーズンは稲見選手が圧倒的な強さを発揮しましたが、パーセーブ率と平均バーディー数が昨シーズンの稲見選手を上回りました。

西郷真央

【お詫び】西郷選手の平均バーディー数を1位と記載していますが、それは誤りで正しくは11位でした。申し訳ありません。

開幕当初は開幕から7戦4勝と圧倒的な強さを発揮しました。中盤以降は調子を落とし、年間女王は同級生の山下選手に譲る形となりましたが、MRは堂々2位。昨シーズンの女王の稲見選手より上位となりました。

パーオン率やフェアウェイキープ率など、ショットの精度を示す項目は中盤の不調が影響して、順位や記録を下げました。ただ、平均ストロークやパーセーブ率はあまり変動がありませんでした。

ショットの精度が落ちたのにスコアが落ちなかったのはなぜか。ショートゲームの精度が向上したのです。パーオンしなかったホールでパー以上でプレーした確率を示すリカバリー率は、昨季の24位から16位に向上。グリーンサイドバンカーからパー以上でプレーした確率を示すサンドセーブ率は、28位から4位に向上しました。それぞれ順位だけでなく記録も向上しています。

ショットの精度を立て直すことができれば、来季は年間女王を狙えるでしょう。

稲見萌寧

年間8勝した昨年の圧倒的な強さを誇っていたイメージがあることで、今季の2勝という結果にはやや物足りなさを感じます。そんな中でも、平均ストロークとパーセーブ率とボールストライキングは2位となるなど、さすがのショットメーカーぶりを発揮しました。

ただ、フェアウェイキープ率が下がった分、ファーストパット(バーディーパット)が長めの距離や難しいラインに乗ることが多かったのではないでしょうか。来季、ドライバーショットの精度を戻すことができれば、再び昨季のような強さを発揮するかもしれません。

勝利数や順位だけではわからない選手のプレーの質

多くの女子ゴルフファンは「〇〇が強い」「〇〇は飛距離が出る」といった、表面に現れる分かりやすい部分に関しての認識はあるようです。ただ、もっと見えない部分にまで目を向けようとすることで、選手たちのプレーの見方に深みが増します。それは、日本女子プロゴルフ協会の公式ページで公開されている統計データ(スタッツ)で確認することができます。

女子ゴルフに注目する際は、是非、選手名やスコアのチェックだけでなく、各カテゴリーの統計データにも注目してみてください。

今回データの解説をした、今季の上位3名は、おそらく来季も優勝争いに加わることが多くなるでしょう。各選手のスタッツにも注目です!

日本女子プロゴルフ協会 スタッツのページはこちら