ハーヴィ・ぺニックという人物をご存じでしょうか。ゴルフ指導に指導に心血を注ぎ、メジャーチャンピオンを含め多くのトッププロを育てた全米初のティーチングプロです。アマチュアゴルファーへの指導も精力的に行い、指導拠点としていたゴルフ場には遠方からも多くのゴルファーが来ていたそうです。
そのような功績が認められ、ぺニック氏は2002年に世界ゴルフ殿堂入りをしました。60年以上ゴルフ指導をしていく中でぺニック氏が不変と感じた指導理論や方針がまとめられた書籍「レッドブック」を紹介します。
ハーヴィー・ぺニック 略歴
1905年生まれ。バイロン・ネルソンらとツアープロとして活躍した後、全米初のティーチングプロとなる。テキサス大ゴルフ部のコーチを長く務め、20回もの全国優勝をなし遂げる。レッスンの神様として、トム・カイトやベン・クレンショーなど数多くのトッププロを育てた。1995年没。
ハーヴィ・ぺニックのレッドブック
書籍の中で書かれている言葉を引用しながら、解説していきます。
ヘッドアップについて
頭を下げていると良いフォロースルーの妨げになります。
偉大なプレーヤーたちは皆、インパクトの前か最中に少しだけ頭を後ろに動かします。
ゴルファーもボールの後ろに頭が残っている「ステイ・ビハインド・ザ・ボール」をしなければいけません。
ステイ・ビハインド・ザ・ボール、頭をボールの飛球線後方に残すことは重要ではあるものの、残しすぎると、体が回転しにくくなるため、良いフォロースルーの妨げになる、ということですね。
多くのゴルファーは顔や頭を残すことを強く意識しているのではないでしょうか。ステイ・ビハインド・ザ・ボールと、頭を下げ続けることを混同しないようにしましょう。
バンカーショットについて
砂の抵抗でクラブが回ってしまわないように、左手の薬指と小指でしっかりとクラブを握ってください。
砂を叩こうと、砂の抵抗に負けまいと腕全体に力が入らないようにしましょう。左手の薬指と小指でしっかりとクラブを握ることで、効率的にクラブの重力など物理的な力を存分に使いやすくなります。
カートに乗らない
これは私の意見ですが、若いプレーヤーでコースをカートで回るような人は、プレーヤーとしての可能性を、最も高い次元まで発展させることは絶対にできないと思います。
ゴルフは技術論に目が行きがちですが、ゴルフの本来の姿を忘れずにゴルフをすることが、結果、技術的な部分のクリアにつながるでしょう。
スタンスは狭くする
彼はロングショットでも、かなり狭いスタンスでプレーしました。これはターンをしやすくしたのですが、風の強い日は、ジョーンズ以外の人はほとんどバランスを崩してしまいました。
ここでの「彼」は、メジャー7勝しマスターズ創設者でもある、球聖ボビー・ジョーンズのことです。
多くのゴルファーはスタンス幅が広すぎます。その方が安定感があるからです。ただそれは、構えた時に安定感を感じるだけで、体が回りにくくなるため、スイング中にバランスが崩れてしまい、結果不安定になりやすくなります。
まとめ
この本は写真やイラストがありません。それはハーヴィ・ぺニック氏の「決まった形を追い求めてほしくない」という思いからだそうです。写真やイラストがあると、どうしてもその形にはめこもうとしてしまいますからね。
スイングについては、「ザ・スイング理論」といったものは述べられていません。良い意味で抽象的に述べられています。アマチュアゴルファーに対してイメージでゴルフをとらえさせるのが上手だったのかな、と思います。高齢になってからは車椅子に乗ってまでもゴルフの指導をしていたのこと。まさに、”ゴルフレッスンの神様”ですね。
ハーヴィー・ぺニックのレッドブック
参考価格:713円(税込)