今回紹介する「ザ・リアル・スイング 最適スイング習得編」は、「ザ・リアル・スイング」の続編です。著者は奥嶋誠昭コーチ。奥嶋コーチは現在稲見萌寧選手などのコーチをしており、普段はノビテックゴルフスタジオでレッスンしています。このスタジオには、クラブとカラダの動きを3次元で、360度の方向から測定できるGEARS(ギアーズ)というモーションキャプチャが搭載されています。GEARSなど最先端の機器を使う中で見えてきたものをまとめたものが、書籍ザ・リアル・スイングシリーズです。
著者 奥嶋誠昭(オクシマ・トモアキ)略歴
2017年に著した『ザ・リアル・スイング』(小社刊)で一躍注目を浴びる。ゴルフを科学するスタジオ「ノビテックゴルフスタジオ」(ヒルトップ横浜クラブ内)で、さまざまな世界最先端機器を駆使し、科学的かつ客観的にアマチュアからツアープロまで分析、指導を行う。スイング解析しすてむ「GEARS」マスターインストラクター、弾道測定器「フライトスコープ」プロフェッショナル、ドクタークォン、バイオメカニクスレベル1、TPI認定ゴルフインストラクターレベル1。㈱ノビテック所属・テクニカルアドバイザー&ツアーコーチ。1980年生まれ。
書籍では、自分のゴルフスイングや、目指すゴルフスイングについて整理することの重要性を説いています。まずインパクトを4種類に分けています。カラダがオープンとクローズの2種類。クラブヘッドの軌道がインサイドアウトとアウトサイドインの2種類。よって、2種類×2種類=4種類としています。
その4種類のインパクトについて、それぞれの種類のスイングの流れをアドレス(P1)~フィニッシュ(P10)に分けながら、かつ、体の動きとクラブの動きを関連づけながら解説しています。
書籍の中でも述べられていますが、あらゆる情報を採用して自分のスイングに取り入れているゴルファーは多いです。それをしてしまうと、つじつまの合わないスイングになってしまい、理想的なスイングを構築することが難しくなる可能性が高まります。
そういったゴルファーは、今一度、自分のスイングの状態と、理想として掲げているスイングイメージ、そして現在の取り組みがマッチしているかを確認する必要があります。その整理をする上で力になる期待が持てるのがザ・リアル・スイングです。
書籍冒頭の「はじめに」では、
「4つのパターンのどれでもうまくなれる」「どんなスイングでもいい」という根本的なコンセプトの中で、一人ひとりみなさんが自分のスイングパターンに応じて、それを使えるものにしていくヒントを満載しました。
と述べられていますが、「ここではこうおあるべきだ」と言うべきポイントでは、きっぱりと言い切っています。すべてのゴルファーに対して寛容的な内容でありながらも、核になるポイントについては明言しています。
ゴルフ理論迷子になってしまったゴルファーは「あの時のものはこういうことだったのか」と、過去取り入れたものと結びつくポイントの発見につながるのではないでしょうか。
- クラブの動きとカラダの動きを別々に考えてみたら、4つめのパターンが見つかった!
- スイングはクラブとカラダの動きの掛け合わせ
- パターン①「カラダはオープン×クラブがアウトサイドイン」
- パターン②「カラダはクローズ×クラブがアウトサイド・イン」
- パターン③「カラダはクローズ×クラブはインサイド・アウト」
- パターン②&③のバリエーション
- パターンは①から③まで?
- 新しい4つめのパターン「クラブはインから下ろしながらカラダは開く!」
- パターン④のスイングイメージ
- はじめに
第1章 クラブの動きで自分のスイングを知る
- スイングにはどんな動きもあり得る
- カラダ各部の動きを自由に組み合わせて打っている
- 要はインパクト。途中は自由
- クラブの動き方で見ればパターンは2つだけ
- カラダの動きとクラブの動きの組み合わせは4つ
- 4パターンに「インサイド・イン」がない理由
- 4パターンのどれを選ぶのも間違いではない
- 10のポジションをチェックしよう
- 現実のクラブの動きを把握しよう
- P1=アドレス
- P2=ハーフウェイバック
- P3=スリークウォーター
- P4=トップオブスイング
- P5 =切り返し直後
- P6=ハーフウェイダウン
- P7=インパクト(正面から確認すべきこと)
- P7=インパクト(後方から確認すべきこと)
- P8=ハーフウェイスルー
- P9=フォロースルー
- P10=フィニッシュ
- 補足1=グリップの向きごとに手の動きが変わる
- 補足2=フェース向きの管理で軌道も変わっていく
- 補足3=トップでフェースの向きがダウンの動きを左右する
- ヘッドの動きを確認したうえでカラダの動きを考える
- すべてはインパクトをどう迎えるか
- [コラム①]右回りも左回りも上げ方次第
第2章 スイングは4つのパターンに分けられる
- スイングの「つぎはぎ」を解消しよう
- 1つのスイングプレーンで球筋の打ち分けはできる
- まっすぐ打つためのクラブパスが必ずある
- プレーンの向きで最下点の位置が変わる
- インサイド・アウトはダウンブローにならない
- アウト・インかイン・アウトかは腕が決めている
- 回転を遅らせるからクローズになる
- 右への側屈が回転を遅らせる
- クラブの落下は側屈によっても起こる
- 側屈するからウェイトシフトが必要になる
- 腕振りからのフェースローテーションもマスト
- 切り返しでまず回転する
- カラダはオープン、なおかつクラブをインから下ろす
- フェースは手で返すかカラダの回転で返るのを待つか
- シャフトを左に回す動きをいつ入力するか
- [コラム②]「ヘッドでボールを押す」感覚とは
第3章 ポジション別 つじつまを合わせるヒント
- カラダの向き、手の位置と振る方向を合わせる
- 振りたい方向とカラダの回りやすさの関係
- どこから始動するかは、人それぞれ!
- 手とカラダを一緒に動かすか、別に動かすか
- ハーフウェイバック前後に「入れ替え」を意識する
- 伸び上がりは「悪」とされてきたけれど……
- 「ヒザのリリース」で回転しやすさを補える
- シフトについての2つの考え方
- 切り返しは2通りある。まずスライドするか、回転するか
- ハーフウェイダウンの問題について
- インパクトゾーンではたらく遠心力への対処
- インパクト後にクラブがどこへ抜けていくか
- クラブは背中の後ろまで回していく
- [コラム③]ゴルフスイングは本当に忙しい
第4章 分析データから見えてきた最新スイング
- バックスイングはどう上がってもいい
- ボールのとらえ方のイメージから始まっている
- 「クラブを寝かす」が×から〇になってきた
- 切り返しでのクラブの落下のさせ方は2通り
- 寝かせたクラブが立ってくるメカニズム
- フラットなプレーンではカラダも手も浮きやすい
- 胸の中心と骨盤の中心はほぼ垂直の位置関係
- 時代は「シフトしてから回転」から「回転しながら伸展」へ
- 「ハンドル」の説明は手と体幹の動きを分けて考える
- プロの左腕は伸びきっていない
- ゆっくりていねいに上げなきゃいけないわけじゃない
- 「時間」で飛距離を伸ばすことができる!
- アームローテーションとトランクローテーション
- ウェイトシフトかプレッシャーシフトか
- パターン④はイメージと実際がかけ離れる
奥嶋誠昭 著 ザ・リアル・スイング 最適スイング習得編
参考価格:1,078円(税込)