米ツアーではSG(ストローク・ゲインド)指標が公式のスタッツとして採用されています。SG指標は「どれだけ打数を稼いだか」を示す指標です。
一般的に認知されている「ドライビングディスタンス」や「フェアウェイキープ率」ではドライバーのスキルを計りきることができません。フェアウェイを少しはずしたものも、隣のホールまで曲がるぐらい外したものも同じ扱いになるからです。
「パーオン率」もショット全体の精度を計ることができるわけではありません。ピンを攻めた結果、少しグリーンをこぼれたショットが多いと悪い数値になりますし、ピンとは反対側のエリアに逃げて20メートル程のパットが残ることが多いと良い数値になったりします。
「パット数」が少ないからといってパットの名手というわけではありません。パーオン率が低く、グリーン近くからグリーンに乗せることが多い選手は、パット数が少なくなるのは当然だからです。
SG指標
2003年から2012年の間の米ツアーのデータベースに集まった1000万回以上のショットに関する情報と、200人以上のゴルファーによる10万回以上のショットデータを集め、「動的計画法(ダイナミックプログラミング)」という手法に基づいて分析しました。それが、稼いだ打数を示す、米ツアーの公式スタッツとして採用されているSG指標の始まりです。
SG指標を考案したのはコロンビア大学ビジネススクール教授のマーク・ブローディ氏。同氏がSG指標についてまとめた書籍が「ゴルフデータ革命」です。この書籍は2015年発行ですが、色あせることが無い内容になっています。すべてのゴルファーが知っておくべきことが詰まっています。
マーク・ブローディ 略歴
コロンビア大学ビジネススクール教授。専門の数量ファイナンスをゴルフのスコア分析に応用した新指標がゴルフ界で注目されている。全米ゴルフ協会ハンディキャップ調査チームのメンバー。伝統あるニューヨーク州ペルハムカントリークラブの元クラブチャンピオンの実績がある。
ゴルフデータ革命
第1部 プレーの分析
- 第1章 パッティングは過大評価されている “Putt is Money”はウソだった?
- 第2章 パッティングの重要性を定量化する スコア差へのパッティングの貢献度は15%
- 第3章 パッティングで稼いだ打数〈SGP〉 「動的計画法(ダイナミックプログラミング)」でゴルフを科学する
- 第4章 シミュレーションの威力 スクランブル方式と”選手交代(スイッチャルー)”方式
- 第5章 ティーショットで稼いだ打数〈SGD〉 グリーンに乗せるまでのショットを測定する
- 第6章 タイガー・ウッズの秘密 プロとアマチュアのプレーを測定する
第2部 コースマネジメントの分析
- 第7章 パッティングのマネジメント データと物理学でパッティングがうまくなる
- 第8章 グリーンに乗せるまでのマネジメント データと最適化でスコアを縮める
- 第9章 最短でうまくなるための練習用ゲーム まずは実力を正確に測定する
- 第10章 19ホールのまとめ すべてのショットが重要である!
ゴルフデータ革命
参考価格:2,420円(税込)