持っているゴルフスキルを十分に発揮するための、メンタルコントロール方法について説かれている書籍を紹介します。順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏著「ゴルフが上達する 自立神経72の整え方」です。
小林氏は書籍の中で「多くのミスは打つ前に自律神経のバランスを欠いたため起こっている」と述べています。基本的に、メンタルの乱れはスキルの不安要素からくるもので、ミスの原因はスキル不足の一言で片づけられるものがほとんどですが、確かにある一定のレベルからは、メンタルのコントロール次第でミスを減らすことができるかもしれません。
小林 弘幸(こばやし・ひろゆき) 略歴
1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授。1992年、順天堂大学大学院医学研究科博士課程修了後、ロンドン大学付属英国王立小児病棟外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病棟外科を経て、順天堂大学小児外科学講師・助教授を歴任。
日本スポーツ協会公認のスポーツドクターでもあり、自律神経のバランスを意識的にコントロールすることで、心身のパワーを最大限発揮できることを提案。数多くのトップアスリートのコンディショニング、パフォーマンスの向上指導にかかわっている。自律神経研究の第一人者であり、書籍も多数刊行している。
プロゴルファーの横田真一氏が、2015年に順天堂大学大学院の医学研究科 医科学専攻 修士課程を修了した時の師(先生)が小林氏。横田氏は小林氏のもとで、自律神経について学んだ。横田氏の卒業論文のタイトルは「プロゴルファーにおける自律神経とパフォーマンスの関係」。
引用
書籍の内容を一部引用します。
交感神経が優位になると血管が収縮します。それによって血圧が上がり、心拍数が増加し、気分は高揚して日中の活動に適した緊張・興奮状態になります。いっぽう副交感神経が優位になると血管が拡張します。血圧や心拍数は低下し、緊張・興奮状態が解けて気分は落ち着き、リラックスした状態になります。
自律神経は、1日のうちで時間帯によって変化します。朝は交感神経が活発になり始めて目を覚まします。交感神経は午前中どんどん優位になっていき、お昼ごろピークを迎えます。夕方からは、交感神経が少しずつ下がって心身の緊張がほぐれていきます。夕方以降は、交感神経と入れ替わりながら副交感神経が優位になっていきます。さらに夜から深夜にかけて副交感神経は最もよく働き、心身をリラックスさせ、疲れをとり、いい睡眠をもたらします。
ひとり言は自律神経の乱れに気づくチャンスです。「あっ、ダフった!」と口から出たら、肩の力を抜いてリラックスしましょう。一人でスタスタ歩くのではなく、同伴者とカートに乗ってお喋りするといいですよ。
口角を軽く上げるだけでも顔の筋肉の緊張が和らいで副交感神経の働きが高まり、血流が良くなって笑顔と同様の効果を得られます。
目次
・はじめに
第1章 自律神経を整える準備~ゴルフの成否は準備が8割
- Lesson1 前日は球打ちより深呼吸
- Lesson2 寝る直前の熱い湯船はNO!
- Lesson3 前日は食事の時間を管理
- Lesson4 いい準備は前夜に行う
- Lesson5 よい眠りは寝る前に用意
- Lesson6 脱水は自律神経の大敵
- Lesson7 スピード運転は大叩きの元
- Lesson8 BGMはクラシック?ロック?
- Lesson9 ゴルフ場到着を15分早める
- Lesson10 朝食をとって体内時計を整える
- Lesson11 クラブハウスでの過ごし方
- Lesson12 練習場のボールは必ず残す
- 【COLUMN】自律神経とは、どんな神経?
第2章 ゴルフの流れは1番で決まる~スタートはボギーを取る!
- Lesson13 ブランクからは3段階で再開
- Lesson14 ぶっつけ本番のショット
- Lesson15 高望みは自律神経を乱す
- Lesson16 逆光のストレスをなくすコツ
- Lesson17 パーオンさせない技術
- Lesson18 最初のパットが鍵を握る
- Lesson19 バンカーからの大叩き防止
- Lesson20 ボギーパットは油断大敵
- Lesson21 「ここぞ!」の1打こそシンプルに
- 【COLUMN】朝晩の切り替わりがポイント
第3章 あなたは4つのどのタイプ?~ゴルフパフォーマンスアップ法
- Lesson22 あなたの自律神経はどのタイプ?
- Lesson23 理想は両方高いAタイプだが……
- Lesson24 いい状態はあっという間に下降
- Lesson25 自律神経の総合力は30代から低下
- Lesson26 遠くからグリーンを観察
- Lesson27 好調からの大崩れが課題
- Lesson28 無口、早歩き、ひとり言に要注意
- Lesson29 初めて回るコースでの注意点
- Lesson30 人前でショットを打つとき
- Lesson31 ヘッドアップ対策
- Lesson32 ミスしそうだな思ったら
- Lesson33 波に乗る力を生かすには
- Lesson34 1番から3番までボギーを取る
- Lesson35 残り距離を逆算して刻む
- Lesson36 100切りはボギーが基準
- Lesson37 長いパー3は2オン2パット
- Lesson38 パー5のゲームプラン
- Lesson39 リカバリーは確実性で選ぶ
- Lesson40 調子をはかる物差しの重要性
- Lesson41 ボギーゴルフを完遂するコツ
- Lesson42 ジェラシーで血圧上昇
- Lesson43 自律神経の切り替えを促す
- Lesson44 アクセルを踏み込むタイミング
- Lesson45 やる気と集中力を高める
- Lesson46 余計な「間」はミスの元
- Lesson47 午後のハーフで大崩れを防ぐ
- Lesson48 早朝プレーを利用する
- Lesson49 自分のゴルフを見失ったとき
- Lesson50 自律神経を活性化する
- 【COLUMN】血液循環との深い関係
第4章 天候や状況に乱されない極意~自分の世界を持つ!
- Lesson51 風と‟戦わない”戦い方
- Lesson52 体の冷えは自律神経の敵
- Lesson53 レインウェアの着脱
- Lesson54 キャップのひさしを利用する
- Lesson55 ‟待ちすぎてチョロ”を防止する
- Lesson56 体感温度が2度上がる
- Lesson57 腰痛の原因は長時間の緊張
- Lesson58 満腹は午後のスコアを乱す
- Lesson59 使いたいクラブを持っていない
- Lesson60 悪いライにはデメリットばかり
- Lesson61 状況を見すぎるほど迷う
- Lesson62 運不運を淡々と受け入れる
- Lesson63 2段階の作戦でスコアを管理
- 【COLUMN】自律神経を整えるメリット
第5章 自律神経をコントロールする~ストレス、迷い、不安をなくす!
- Lesson64 スコアカードは自分の記録
- Lesson65 後続組に追いつかれたとき
- Lesson66 会心のショットだけ褒める
- Lesson67 プレー中も会話でリラックス
- Lesson68 調子が悪いときこそ笑顔が大事
- Lesson69 ストップ・ザ・教え魔
- Lesson70 自律神経は同伴者にも伝染
- Lesson71 短気な人から自律神経を守る
- Lesson72 風景を眺めてリラックス
・おわりに
小林弘幸著 ゴルフが上達する 自律神経72の整え方
参考価格:1,650円(税込)
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