ヘッドアップするからミスするのではない。ヘッドアップさせられる体の動きをしているだけ!

ゴルフスイング  フォロースルー ダウンスイング

「最後までボールを見る」「打ったあとも下を見る」「ヘッドアップしない」といった事を意識していた、あるいはしているゴルファーは多いと思います。はたしてその「ヘッドアップ」についてどういう意識を持っていれば良いのでしょうか。この部分をどう理解しておくかでゴルフに対する取り組みが大きく変わってきます。

ヘッドアップ

ヘッドアップとは

クラブヘッドがボールに当たる前に目線がボールから離れ顔が目標方向を向いてしまうことを言います。打ったボールの行方が気になってしまいますからね。「ボールの行方を目で追ったところで結果は何も変わらない」事は分かっていても、どうしても顔が上がってしまうゴルファーは多いと思います。

ヘッドアップはだめ?

一般的にヘッドアップはゴルファーの大敵と考えられ、なんとかそうならないように日々練習を積んでいるゴルファーは多い事でしょう。ヘッドアップすることにより起こりやすいとされることの一例を挙げると次の通りになります。

  • アドレス時の前傾姿勢が崩れやすくなる
  • スイング軸がぶれる。上体が開きクラブヘッドがアウトサイドインの軌道になる
  • 上体が開き振り遅れてフェースが開いたインパクトになる

等。

ヘッドアップしないことを意識すると?

ではヘッドアップしないために「インパクトの瞬間までボールを見て、インパクト直後も顔を下に向けたまま我慢する意識を持つ」事は不可欠でしょうか。それは悪いことではありませんが注意点についても理解しておく必要があります。

アドレス時からボールを強く見る事になるので、体が硬直し手先に頼ったスイングになりやすくなります。バックスイングで体をスムーズに回しにくくなります。そうすると、手でクラブを担ぎ上げるようになったり、腰が右に流れたり、上体が左に傾いたりしやすくなります。ダウンスイングにおいてはバックスイング時以上にボールを見る意識を強める事になるので、上体が前や左へ突っ込みやすくなります。又、重心移動がスムーズに行われにくくなるので体が右へ傾きやすくなってしまいます。

ヘッドアップは『結果』であって『原因』ではない

横浜DeNAベイスターズ筒香選手

2017年2月26日のテレビ番組「情熱大陸」では日本を代表するプロ野球選手の筒香選手に密着していました。その中で「ピッチャーの投げるボールは凝視しない。ぼんやりボールを見ている」と言っていました。ゴルフのように止まっているボールを打っているのではなく、動いているボールを打っている野球のバッターがさほどボールを見ようとしていないのは驚きです。

その理由について聞かれると筒香選手は「ボールを凝視すると重心が乱れる」と言っていました。これはゴルフでも言えます。スイング中の様々なエラーは重心の乱れによるものです。ボールを見過ぎてはいけない、ということですね!?

ヘッドアップする体の動きになっているからヘッドアップする

結論としては、「ヘッドアップする体の動きになっているからヘッドアップする」「ボールを見続ける、ではなく、体の動きのコントロールすることでヘッドアップを回避する事が大切」ということになります。「上体の開きが早くなってしまうから体の動きにつられて顔があがってしまう」のです。上体を開かずにインパクトを迎える事ができると、顔は自然と残ります。ボールを見ようとしなくても、見ているべきタイミングまで見ています。決して、「ヘッドアップするから上体が開く」「ヘッドアップするから―――――なる」ではありません。あくまでヘッドアップは体の動きにつられてさせられているに過ぎないんです!

ゴルフ初心者さんが、スイングの大枠を知るために「顔を残す」意識を持つのはいいと思いますが、極力「ボールを見続ける」事は考えず、「どういうスイングをするか」のテーマに集中して下さい。そのテーマを一つずつクリアすることで自然とヘッドアップしない、より再現性の高いリズミカルなスイングになります。