パッシブトルクの今

ゴルフスイング ダウンスイング

ゴルフ用語や、流行の理論には毎年新しいものが出てきます。2019年もまた出てきています。「サイドベント」です。これまでも、出てきていましたが、今年、より一層目にする機会が増えました。

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今年のトレンドは『サイドベント』リバースピボットに注意!

そして、さらに「シャローイング」というワードも出てきました。色々出てきます、ほんとに……。ただこの「シャローイング」は、大きくは2017年に流行った「パッシブトルク」と同じ意味だと考えて良いです。

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今年のトレンドは『パッシブトルク』 とってつけたようにクラブを寝かせるのは危険!

このシャローイング、「ダウンスイングの初期段階でクラブを立ててはインパクト前後で、クラブがうまく動きません。ダウンスイング初期段階では、クラブを寝かせましょう」という意味です。

たしかにそうです。インパクトで直前でクラブが寝てしまうと、右プッシュや左への引っ掛けが出やすくなるので、バックスイングからダウンスイングへの切り返し直後では、クラブはいったん寝かせるべきです。

ダウンスイング初期段階でクラブを寝かせことで、ハーフウェイダウンからインパクト直前にかけて、左前腕の回外、右前腕の回内動作を入れやすくなり、インパクト直前にクラブを立たせることができます

ただ、”パッシブトルク”で良いじゃないか、と。なぜ”シャローイング”という言葉をわざわざ広める必要があるのでしょうか。

この2つのワードに違うことがあるとすれば、パッシブトルクは”受動的”でシャローイングは”能動的”というところでしょうか。

もしそうなら、パッシブトルクの方が質の高い理論ということになります。クラブが寝るのはクラブの特性上、自然なことだからです。自らしかける”能動的”なものではなく”受動的”であるべきなのです。

ゴルフスイング理論界(という業界があるのかは分かりませんが)では、毎年新しいスイング理論が登場します。普遍的なものをより鮮明にしたものから、斬新なだけのものなど様々な理論が登場します。

スイング理論も、ゴルフエンターテイメントの一部という見方もあるので、ゴルファーがその理論を知り、刺激を受け、実践して色々と楽しむことができる、という観点では、こういったスイング理論の登場は良いことです。

一方、ただでさえ情報過多のこの時代に、新しい理論ワードの乱立は、多くのゴルファーを混乱させ、ゴルファーのゴルフレベルの進化を停滞させ、ゴルフ上達を通じた喜びの獲得を邪魔している側面もあります。

「情報の取捨選択もゴルファーのスキルの内の一つだ」と言われればそれまでですが、スイングを指導する人や、スイング理論を発信する人は、その発信内容に身をゆだねてゴルフに取り組んでいるゴルファーがいる、ということをしっかり頭に置いて欲しいと思います。

とりあえず筆者は思います、この「シャローイング」を意識する必要はない、と。表面的な部分ではなく、もっと根っこの部分を意識したいとこころです。

クラブが寝る動きは”受動的”であるべきです。