ゴルフではグリップ(握り方)はとても重要です。ゴルフの基本グリップはやや複雑なこともあり、「グリップはなんでもよい」という意見もありますが、グリップに関する議論の参加は基準となる基本を知った上でのことなので、基本グリップを知りましょう。グリップの種類や握り方について、動画と記事で解説していますのでご覧ください。
腕と胴体が調和した、リズミカルなスイング構築のためにはグリップは大切です。「手とクラブに一体感がある」「腕が適度に脱力している」グリップが良いグリップです。
グリップは大切ですが、軽く見られがちなポイントです。初心者だけでなく中上級者も、今一度、グリップをチェックしてみてください。
グリップに関する記事はこちらからどうぞ。
長く持ち過ぎないようにする
ゴルフクラブを長持つと、ヘッドを加速させやすくなるイメージを持っているゴルファーは多いのではないでしょうか。基本的には「少し短めに持つ」ようにしましょう。目安は、小指とグリップの端の間に指2本分入る程度です。
たしかにクラブを長く持てば持つほど、物理的にはヘッドを加速させやすくなります。しかし、手の平の中に余る部分が出てくるので、クラブの良くないぐらつきが生まれやすくなります。長く持ち過ぎないようにして、手とクラブの適度な一体感を確保しましょう。
※2018年の男子ツアー賞金王の今平周吾選手はとても短く持っています。↓
左右とも同じ力加減で握る
グリップは「左右同圧」が基本です。
腕とクラブの関係をキープしようと、もしくは、強くボールをヒットしょうと強い力でグリップしてしまっているゴルファーは多いです。その方がクラブがぐらつかず、安定した動きをしやすいと、錯覚していることによるものです。
また、インパクト時に当たり負けしないようにと、無意識に強い力で握ってしまいやすくなります。強すぎる力でグリップすると、エラーが色々起こりやすくなります。体幹と腕、クラブの連動性が損なわれやすくなります。
インパクト時の当たり負けは、主にミスショットした時に感じるものではないでしょうか。ミスした時に、手の中でのグリップのずれを感じたことがある人は多いと思います。この場合は、「グリップの握りが弱かったからグリップがずれてミスした」のではなく「ミスしたからクラブが衝撃を吸収しきれずグリップがずれた」というものです。グリップが弱すぎたわけではありません。
左右同圧であるべき理由は、「体幹の可動性、安定性が最大になる」ことが挙げられます。
「左右同圧でにぎりこぶしを作ってシャドースイング」と「左右の圧に差をつけたにぎりこぶしでシャドースイング」を比べてみてください。体幹の可動性と安定性が違うと感じるはずです。「体の回りやすさ」が違うと感じるはずです。グリップを強く握り過ぎないよう注意しましょう。
「握る」ではなく「持つ」が理想的
「強く握るのは良くない」という点で、握る強さの加減についてよく言われる表現が「できるだけゆるく」「小鳥を掴むように」というものです。ただ、これは人ぞれぞれある‘感覚’の部分が大きいので、なかなか、‘これ’と、示すことは難しいです。
ただ、「握る」という表現だと、どうしても手を”ギュッ”と強く握ってしまいやすいことは言えると思います。そこで「持つ」というイメージを持つことをお勧めします。「持つ」だと、「ギュッ」とすることもないでしょうし、ゆるゆるになることもないと思います。適したグリッププレッシャーになりやすいのではないでしょうか。傘を持つ程度の加減がベースになります。
グリップの種類 その①
オーバーラッピンググリップ
右手の小指を左手の指に重ねます。最も多く用いられているグリップです。
インターロッキンググリップ
右手小指を左手人差し指にからませるグリップです。
テンフィンガーグリップ
ナチュラルグリップとも言われています。左人差し指と右小指を密着させ、10本の指全部で握るグリップです。
グリップの種類 その②
フィンガーグリップ
基本になるグリップで、主に指の第1関節と第2関節でクラブを引っかけるようにして握るグリップがフィンガーグリップです。指で握る事で、安定性、前腕の可動域が確保されます。
パームグリップ
手の平全体でクラブを包み込むようにして握るグリップがパームグリップです。初心者など、どうしても腕が力んでしまうゴルファーはパームグリップになりやすいです。フィンガーグリップが基本グリップになりますが、パームグリップが合うゴルファーもいます。パームグリップで握る場合は、パームが合っているかどうかの正しい判断が必要です。パームグリップの場合でも、適度に指で握る必要があります。
どのグリップにも共通するポイント
左手
左手は2ナックル
人差し指付け根のナックル(コブ)と、中指のナックルの2つのナックルが上から見える状態が『スクエア』です。
親指の位置はグリップセンターより右側
親指をグリップ部分の真上にセットしがちですが、正しくはグリップセンターより右側にセットします。
ポイントになる指は小指、薬指、中指
左手は、小指、薬指、中指をポイントにしてグリップします。親指に力が入りやすいですが、親指の力は抜きましょう。
Y字形を細長くする
人差し指と親指で作る『Y字形』を細長く作ることで、よりクラブと手の一体感を出せるフィンガーグリップにしやすくなります。パームグリップの場合は、Y字形を細長く作りにくくなりますが、できるだけ細長く作りましょう。
右手
右手のY字形は首の右側と右肩の間を差す
右手のY字形はアゴよりも右を差すようにします。首の右側と右肩の間を差すようにすることが『スクエア』です。
親指の位置はグリップセンターより左側
親指をグリップ部分の真上にセットしがちですが、正しくはグリップセンターより左側にセットします。
右手の平が左手親指と合わさる
右手の平で左手親指を包み隠すようにします。しかし、包み隠そうとし過ぎて、Y字形が左肩方向を差さないよう注意が必要です。
ポイントになる指は中指、薬指
右手は、薬指、中指をポイントにしてグリップします。親指や人差し指に力が入りやすいですが、それらの指の力は抜きましょう。
まずはボールを打つよりグリップする練習をしよう
一律に”正しいグリップはこれ”と述べることはできませんが、基準を知った上で、グリップの練習をすることは大切です。練習やコースラウンドの時は、必ずグリップをチェックしましょう。片山晋呉選手でもグリップチェックを欠かさないようです。
「形」「グリップ圧」「どの指をどの感じで」など、グリップ1つで、チェックポイントはたくさんあります。1つ1つチェックしましょう。丁寧にチェックしながらグリップを決めると、最初は時間がかかりますが、慣れてくると一瞬で決めることができてきます。
『ゴルフの練習』といえば、『ボールを打つ』ことを連想すると思いますが、特に初心者は『クラブを持ってグリップする』練習を反復すると良いでしょう。
「グリップしてほどく、グリップしてほどく」を繰り返すことで、最初は時間がかかっても、次第にすぐにグリップを決めることができてきます。
初心者は、スムーズにグリップができるようになってから、ボールを打つ練習を開始するぐらいでちょうど良いです。グリップするだけなら、自宅で練習できるので、ゴルフ練習場で練習することと比べると、時間的にも経済的にもお得です。なにより、効率的に上達することができます。