キャロウェイやテーラーメイドなど、海外ブランドを使用することが多かった松山英樹選手が試合で使用するなど、評価が高いのが今回のスリクソンのドライバーです。ZX5ドライバーとZX7ドライバー。スリクソンらしいプロや上級者が好む顔であることはもちろん、今回のモデルは飛距離性能も高評価のようです。さて、実際のところはどのようなクラブに仕上がっているのでしょうか。スピン量に差が見られました。
スリクソン ZX5 ZX7 ドライバー
テクノロジー
今回のモデルで挙げるべきは「REBOUND FRAME」です。たわみの支点をボディ側にすることでより大きくたわませ、反発性能を向上させました。また、深重心で慣性モーメントが大きくなり、ミスヒットに強くなりました。
クラウン部分がCFRPコンポジットとなっています。ヘッド製法は、フェースが鍛造でボディがロストワックス精密鋳造。#3のクラウン部分が加熱成型となっています。
CFRPとは「Carbon Fiber Reinforced Plastics」の略で、「炭素繊維強化プラスティック」のことです。CFRPの活用方法については注目が集まっており、研究が進められています。CFRPには物がぶつかった場合に柔らかくへこんで衝撃を逃がすという特徴があるようです。ゴルフクラブに活用されるのも納得ですね。
ZX5とZX7の違い
ZX5とZX7の性能や特徴の違い | ||
ZX5 | ZX7 | |
弾道の性質 | つかまる高弾道 | 力強い弾道 |
弾道やヘッドの性質 | すぐれた直進性 | すぐれた操作性 |
寛容性 | 非常に高い | 高い |
ヘッド形状 | 安心感があり、上がりやすいイメージのシャローバック | オーソドックスで、あおるイメージを抑えたディープバッグ |
弾道調整機能 | 付き | 付き |
チューニングウェイト | 後方に1個 | トゥ・ヒールに各1個 |
重心深度・慣性モーメント | ZX5>ZX7 |
両方とも中上級者向けのモデルですが、ZX7の方がZX5よりもハードヒッター向けのモデルです。
スペック
ZX5
標準装着のシャフトはDiamana ZX50 カーボンシャフトです。
ロフト&シャフトバリエーション
硬度 | 調子 | 重さ(g) | トルク | #1 | (LH)#1 | ||
9.5 | 10.5 | 9.5 | 10.5 | ||||
S | 中 | 49 | 6.6 | ● | ● | ● | ● |
SR | 中 | 47 | 6.8 | △ | ● | △ | △ |
R | 中 | 45 | 6.9 | △ | ● | △ | △ |
※△:特注対応
詳細
【ヘッド素材】
フェース:チタン(Super-TIX51AF) ボディ:8AL-2Vチタン クラウン:CFRPコンポジット チューニングウェイト(8g:ステンレス)
【ヘッド製法】
フェース:鍛造 ボディ:ロストワックス精密鋳造 クラウン:加熱成型
【仕上げ】
フェース:サテン+黒IP仕上げ ソール:ショット+ミラー+黒IP仕上げ
スペック | ||
ロフト角(°) | 9.5 | 10.5 |
ライ角(°) | 59 | |
ヘッド重さ(g) | 200 | |
ヘッド体積(㎤) | 460 | |
クラブ長さ(インチ) | 45.25 | |
バランス | D2 | |
クラブ重さ | 304 |
クラブ重さはDiamana ZX50のSです。
ZX7
標準装着のシャフトはDiamana ZX60 カーボンシャフトです。
ロフト&シャフトバリエーション
硬度 | 調子 | 重さ(g) | トルク | #1 | (LH)#1 | ||
9.5 | 10.5 | 9.5 | 10.5 | ||||
S | 中 | 55 | 5.4 | ● | ● | ● | ● |
SR | 中 | 52.5 | 5.5 | △ | ● | △ | △ |
※△:特注対応
詳細
【ヘッド素材】
フェース:チタン(Super-TIX51AF) ボディ:8AL-2Vチタン クラウン:CFRPコンポジット チューニングウェイト(8g:ステンレス、4g:アルミニウム)
【ヘッド製法】
フェース:鍛造 ボディ:ロストワックス精密鋳造 クラウン:加熱成型
【仕上げ】
フェース:サテン+黒IP仕上げ ソール:ショット+ミラー+黒IP仕上げ
スペック | ||
ロフト角(°) | 9.5 | 10.5 |
ライ角(°) | 59 | |
ヘッド重さ(g) | 200 | |
ヘッド体積(㎤) | 460 | |
クラブ長さ(インチ) | 45.25 | |
バランス | D2 | |
クラブ重さ | 309 |
クラブ重さはDiamana ZX60のSです。
スリクソン ZX5 ZX7 ドライバー 試打測定
データ測定
ZX5とZX7を弾道測定器で測定しました。両方ともシャフトはDiamana ZX60でフレックスはSRです。使用した測定器はSKYTRAK。使用球はタイトリストのProV1です。
ZX5
スリクソン ZX5ドライバー | ||||
飛距離 (Y) |
左右ブレ (Y) |
スピン量 (rpm) |
打ち出し角 (°) |
|
1 | 228.9 | 4.0 | 2372 | 18.0 |
2 | 231.1 | 1.0 | 2018 | 15.2 |
3 | 229.6 | 4.2 | 2479 | 12.9 |
4 | 230.2 | 6.7 | 2346 | 13.0 |
5 | 237.0 | -6.8 | 2616 | 12.9 |
平均 | 231.4 | – | 2366 | 14.4 |
ZX7
スリクソン ZX7ドライバー | ||||
飛距離 (Y) |
左右ブレ (Y) |
スピン量 (rpm) |
打ち出し角 (°) |
|
1 | 227.3 | 0.9 | 2121 | 12.6 |
2 | 224.8 | -3.5 | 2142 | 11.4 |
3 | 229.8 | -11.3 | 2142 | 13.2 |
4 | 231.3 | -6.5 | 2022 | 13.7 |
5 | 231.8 | 10.4 | 2228 | 15.8 |
平均 | 229 | – | 2131 | 13.3 |
ZX5 ZX7 平均比較 | |||
キャリー距離 (Y) |
スピン量 (rpm) |
打ち出し角 (°) |
|
ZX5 | 231.4 | 2366 | 14.4 |
ZX7 | 229 | 2131 | 13.3 |
レビュー
ZX5は「シャロー」とありますが、ZX7と比べると若干シャローな程度で、一般的なシャローでありません。ディープフェース寄りのシャロー、と言えるかもしれません。どちらもシャープで構えやすいです。打感はテクノロジーで謳っているように「たわみ」を感じます。硬い打感が苦手な人は、気に入る人が多いかもしれません。
スピン量と打ち出し角に差が生まれました。ただ、打ち出し角の方はZX5の1球目の18.0が大きく影響してしまってのものです。この1球がなければ、あまり差がないことになります。スピン量は200以上のZX7の方が少なくなりました。これはこのまま、モデルの傾向として把握してよいでしょう。
まとめ
構えた時の顔にこだわりが強い松山選手が実戦で投入しただけでも、気になる人は多いのではないでしょうか。微妙な違いを2つのモデルで表したZXシリーズドライバー。アスリート向けの印象が強いスリクソンですが、標準装着されているシャフトであれば、幅広い層のゴルファーが打って満足できる仕上がりになっているうようです。
ZX5ドライバー
参考価格:58,080円(税込)
ZX7ドライバー
参考価格:59,840円