飛距離性能優先!? スリクソン ZX フェアウェイウッド試打レビュー

海外ブランドのドライバーを使用することが多い、スリクソン契約選手の松山英樹が使用したことや、香妻陣一朗が三井住友VISA太平洋マスターズでツアー初優勝時に使用していたことでスリクソンのZX5やZX7ドライバーが注目を集めています。そして、今回紹介するのはスリクソンのZXフェアウェイウッド（＃3）。スリクソンと言えば、アスリートゴルファーを対象しているブランドイメージですが、今回のモデルはどのような仕上がりになっているのでしょうか。

※下記動画では2:00ぐらいからフェアウェイウッドを紹介しています。そこから20秒ほどですが。。。

スリクソン ZX フェアウェイウッド

テクノロジー

＃3はクラウン部分が特徴的で、＃5や＃7とヘッドの素材と製法を変えています。＃3はライトウェイトカーボンクラウン。スリクソンといえば黒いヘッドの精悍なビジュアルというイメージでしたが、最近のモデルは革新的なデザインのモデルがリリースされるようになりました。

ZXフェアウェイウッドはフェース素材はHT1770剛でボディ素材がマレージング剛です。そして、＃3のクラウン部分がCFRPコンポジットとなっています。ヘッド製法は、フェースが鍛造でボディがロストワックス精密鋳造。#3のクラウン部分が加熱成型となっています。

CFRPコンポジットと加熱性型

CFRPとは「Carbon Fiber Reinforced Plastics」の略で、「炭素繊維強化プラスティック」のことです。CFRPの活用方法については注目が集まっており、研究が進められています。CFRPには物がぶつかった場合に柔らかくへこんで衝撃を逃がすという特徴があるようです。ゴルフクラブに活用されるのも納得ですね。

熱可塑性CFRPの研究（JAXA）

スペック

標準装着されているシャフトはDiamanaのZX50 カーボンシャフトです。

＃3のシャフトスペック
硬度	調子	重さ(g)	トルク
S	中	47.5	6.6
SR	中	46	6.8
R	中	44	6.9

＃3のヘッドと全体のスペック
ロフト角(°)	15
ライ角(°)	57.5
ヘッド重さ(g)	214
ヘッド体積(㎤)	176
クラブ長さ(インチ)	43
バランス	D2
クラブ重さ(g)※S	312

スリクソン ZX フェアウェイウッド試打レビュー

試打測定

弾道測定器で測定しました。シャフトはDiamanaのZX50 カーボンシャフトです。使用した測定器はSKYTRAK。使用球はタイトリストのProV1です。

スリクソン ZX フェアウェイウッド弾道測定結果
	飛距離（Y）	左右ブレ（Y）	スピン量（rpm）	打ち出し角（°）
1	213.6	16.3	3415	12.8
2	211.7	23.5	2916	14.0
3	210.7	5.1	3332	10.7
4	211.4	4.3	2380	12.9
5	183.9	8.3	3733	6.9
6	220.6	2.0	2956	12.1
7	219.9	9.5	2971	13.4
8	216.9	15.1	3615	12.6
9	216.1	17.1	3666	11.5
10	219.8	-7.2	2371	11.8
平均	212.5	–	3135	11.9

※左右ブレはの平均は算出していません。＋5ヤード（5ヤード右）と－5ヤード（5ヤード左）の平均が0ヤード（まっすぐ）となってしまうためです。

レビュー

左に飛んだのが10球中1球。引っ掛けにくく、つかまり過ぎないクラブのようです。測定データを見ると右に抜けすぎですが。。。何より飛距離性能が申し分ないです。右に抜けた傾向でもスピン量が抑えられているということは、つかまえられればさらに抑えられて飛距離アップの期待が持てます。打感も良いです。フェアウェイウッドはドライバーやアイアンよりも、テーラーメイドやキャロウェイなどの海外ブランドが目立っていますが、ZXフェアウェイウッドはそんな海外ブランド愛好家も試してみる価値がある仕上がりになっています。

まとめ

＃5と＃7の試打はしていませんが、素材や製法などのテクノロジーを踏まえると、＃3とは別物としてZXフェアウェイウッドはとらえた方が良さそうです。「飛距離性能優先のスプーン」です。ボールをつかまえられないスライサーには不向きのクラブと言えますが、全体的に見てヘッドスピードが速い、ハードヒッターや、上級者が満足できると言えそうです。