身長150センチと小さい体ではありながら完成度が高いスイングを武器に、日本女子プロゴルフ選手権では3日修了時点ではトップに立ち、優勝争いをリードしていた西村優菜選手。最終日はバーディーをとることができずに7位タイとなりましたが、今後に期待を持てる内容だったのではないでしょうか。本日最終日だったデサントレディース東海クラシックでも21位タイで、安定感を獲得しつつあります。
西村選手の躍進を支えるのは欠点らしい欠点が無いバランスが良いスイングです。今回は西村選手のスイングをアドレスからフィニッシュまで解説していきます。教科書通りといっても過言ではないぐらいのスイングをしているので、参考にしてみてください。
アドレス
グリップもポスチャーもオーソドックスです。スクエアグリップ、グリップ位置が左内もも前、ボール位置は左かかと内側の延長線上(ドライバー)、左右偏りない体重配分、前後偏りない足裏全体への体重配分。教科書通りのアドレスです。
テークバック
手上げ感があり、前腕のローリングが少し入る始動です。シャフトが地面と平行の時に、クラブフェースの向きが正面を向いています。シャフトが地面と平行になった時の現代のスタンダードは、フェースの向きは背骨と平行、とされています。
ハーフウェイバック
スイングプレーンを綺麗に通ってクラブが上がっています。スイングプレーンを意識して作り上げてきたスイングであることがうかがえます。
トップオブスイング
オーバースイングという見方ができなくもないぐらい大きなトップオブスイングですが、フェースの向きは左腕のラインとそろっていてスクエアです。
体幹のバランスがくずれていなので、このぐらいの大きさでも問題ないのではないでしょうか。
切り返し①
切り返し②
下半身から切り返しながらも、上体の開きを抑える意識がうかがえる切り返しです。
ハーフウェイダウン
右膝が内側に入り込み、下半身先行度合いが強いですが、女性の方が右膝が内側に入り込みやすいので問題ないでしょう。
インパクト前
右肘が曲がったままわき腹についてついています。インパクトからフォロースルーでボールを押し込んでいける状態です。
インパクト
下半身先行度合いが強いのですが、右脚を少し伸展させることで下半身や体幹、手元の動きにブレーキをかけ、フェースの返り遅れを防いでいます。この時もまだ右肘が曲がっているのが特徴的です。
フォロースルー①
右肘にはまだゆとりを持たせながら、左前腕を回旋させています。前傾角度がしっかりと維持されたフォロースルーです。
フォロースルー②
フェースが真下を向くように返しています。持ち球がドローボールのようで、その表れとも言えそうです。
フィニッシュ
フィニッシュまで前傾角度が維持されたバランスの良いフィニッシュです。
まとめ
体が小さいことで「正確性で勝負するしかない」という意志がうかがえるスイングです。機械のように正確なショットを目指しているのではないでしょうか。美しいスイングから繰り出される精度の高いショットというストロングポイントを活かして、大きく飛躍していってもらいたいですね。