「もっと遠くへボールを飛ばしたい!」ゴルファー共通の想いではないでしょうか。そんなゴルファーに多いのがバックスイングでクラブを大きく振り上げすぎてしまう”オーバースイング”です。「こんなに振り上げるつもりはない」のに振り上げてしまっているケースがほとんどなのがオーバースイングですが、オーバースイングには2種類あるのをご存知ですか?
オーバースイングとは
『オーバースイング』基準となるトップオブスイングより、大きいトップオブスイングのことを言います。ただ、基準となるトップオブスイングの大きさは、様々な考えがあり、「これが基準!」というものはありません。専門家目線でも、同じスイングを見て「これはオーバースイング」と言う人もいれば、「オーバースイングではない」と言う人もいます。
だいたいシャフトが地面と平行になったところが基準となるトップの位置だとされていますが、アイアンとドライバーで自然とトップの大きさは変わります。よって「シャフトが地面と平行」では曖昧です。
オーバースイングには2種類ある
オーバースイングの概念、はさておき、オーバースイングには2種類あります。手首や肘を曲げすぎて、クラブを大きく振り上げ過ぎてしまうオーバースイングと、身体を大きく回転させすぎてしまうオーバーターンです。
腕の関節曲げ過ぎのオーバースイング
手でクラブを上げる意識が過剰な場合に起こりやすいオーバースイングです。クラブヘッドの助走距離が長くなる分ヘッドスピードを上げやすくなりますが、大きく上げる分ミート率が下がりやすくなります。インパクトでは振り遅れてフェースが開きやすくなります。遠心力がとても大きくなるため、体幹の力が強くないとスイングバランスを崩してしまいます。


身体を回転させ過ぎのオーバーターン
「身体の回転で打つ」意識が過剰な場合に起こるのがオーバーターンです。もしくは、反動を目一杯使ってダウンスイングをしようとすると、オーバーターンになります。中には、トップオブスイングの時、ボールが見えなくなるぐらい身体を回転させる人もいます。


女子プロにオーバースイングが多い
男性に比べて女性の方が身体が柔らかいからなのか、男子プロより女子プロの方がオーバースイングが多いです。長く絶対女王に君臨していた不動裕理プロや、古閑美保プロも、オーバースイングといえるでしょう。
そして、オーバースイングの代表格、横峯さくらプロもいます。


オーバースイングかどうかは身体の可動域が絡むので、表面的なトップの大きさだけでは判断できない
オーバースイングの概念
上記3名の女子プロもしかり、トップの位置での身体のバランスは崩れていませんし、どこかに過剰な負荷がかかってはいません。バランスの良いトップです。
かといってオーバースイングではないといえば、そういうわけではありません。横峯さくらプロは明らかにオーバースイングです。オーバースイングではあるものの、天性の優れたタイミングのとり方で、安定したインパクトを実現しているといえそうです。
又、一見、コンパクトなトップでも、胸椎や股関節の可動域が狭い場合、オーバースイングの可能性があります。
正しいトップの大きさはカラダの各部位の可動域で決まる
ほとんどのゴルファーがオーバースイング
トーナメント中継や、各メディアから得られるプロのスイングのイメージを持ってスイングすると、オーバースイングになりやすくなります。原則的には、イメージよりも実際のトップの方が大きなスイングになるからです。
自分がオーバースイングだと気づいていないオーバースイングゴルファーは多いです。
基本的にはコンパクトなトップにするべき!
ジュニア時代から毎日のようにクラブを握っているプロゴルファーはオーバースイングで良いとしても、一般的な週一練習、月1コースラウンドのアマチュアゴルファーはオーバースイングで安定したプレーをすることはできません。
タイミングを一定にできるだけの練習量をこなせないからです。オーバースイングは、少しでもタイミングがずれた時、大きなミスに繋がるため、タイミングずれてもミスを抑えることができるトップの大きさである必要があります。
又、実際にコンパクトなトップである必要があるのと同時に、コンパクトトップのイメージを持つことで、ゴルファーがイメージしているプロゴルファーなどのトップの大きさになるとも言えます。グリップが胸の高さぐらいのトップのイメージを持つと、バランスが良いトップになりやすいです。


胸の高さのトップのイメージを持つと「え?こんなにコンパクトで良いの?」と感じるかもしれませんが、「小さ過ぎるトップになる」ことはあまりないので、存分にコンパクトにしてみて下さい。