ダウスイングよりもテークバックからバックスイングにかけてのパッシブトルクの方が重要!

ゴルフスイング インパクト スイング

今期(2018年)の流行ワードの1つとして『パッシブトルク』が挙げられると思います。ダウンスイングでは、クラブの特性としてある”トルク(ねじれ)”を受け入れるとクラブは寝る(後ろに倒れる)ので、無理に立たせようとせず、クラブを寝かせましょう、というのがパッシブトルクを活かした考え方です。

ゴルフスイング

今年のトレンドは『パッシブトルク』 とってつけたようにクラブを寝かせるのは危険!

まずはテークバックのパッシブトルクを理解する

現状、フォーカスされているのはダウンスイング時のパッシブトルクですが、より需要なのはテークバックからバックスイングにかけてのパッシブトルクです。

パッシブトルク

上記参考記事内でも説明していますが、パッシブとは「受動的」という意味です。そして、トルクとは「ねじれ」です。つなげると「受動的ねじれ」となります。「クラブのねじれを受け止める」となります。

更に深く説明すると、「クラブのねじれを受け止めるようにクラブを寝かせて、その時腕や体にかかった負荷(力)を利用して(負荷の反動で)、クラブを立たせましょう」というものです。

体幹主動で、両腕を脱力したスイングをすることで、腕や体にかかる負荷をうまく使うことができます。

ダウンスイングでのパッシブトルク

パッシブトルクは主にダウンスイングでフォーカスされています。石川遼選手が着目しているのもダウンスイングですね。

ゴルフ パッシブトルク

出典:https://news.nifty.com/article/sports/golf/12102-86955/

ダウンスイングでは、クラブヘッドの重量や重心位置の特性により、クラブ全体が寝やすくなります。このダウンスイングで、この寝やすくなる、というものはゴルフスイング独特のものです。

そして、この寝たクラブを、寝てから立てる、寝てから起こす、というのがパッシブトルクを活かしたスイングです。

野球のバットスイングやテニスのラケットストロークでは、使う道具において、ゴルフで使うゴルフクラブとは大きな違いがあります。バットやラケットはグリップ部分の延長線上に芯があるということと、ゴルフクラブほど、重量が先端に偏っていません

”道具によるスイングに与える影響”はゴルフ独特の部分といえます

テークバックでのパッシブトルク

ダウンスイング時のパッシブトルクの方がフォーカスされていますが、『受動的ねじれ』という『パッシブトルク』という用語の意味を考えた時、テークバックからダウンスイングにかけてのパッシブトルクの方が重要です。

テークバックでは、ダウンスイング時とは逆に、クラブは前に倒れやすくなります。なぜなら、アドレス時から、クラブヘッドの重心がシャフトの延長線上より前方にあるからです

クラブフェースは閉じようとするので、それにつられてクラブが前に倒れようとするのです。

テークバックでは、このクラブの特性を受け入れましょう。

グリップ位置は体の近くをキープし、クラブヘッドはグリップよりも外に位置します

ゴルフのアドレス 正面から ゴルフのテークバック 正面から ゴルフのアドレス 後方から ゴルフのテークバック 後方から

まずはこのクラブの特性を受け入れる”パッシブ”が重要なんです。この特性を腕の力で押さえつけて殺し、自力でクラブをコントロールしようとするべきではないということです。

テークバックでクラブのトルクを受け入れることができないと、クラブヘッドはインサイドの軌道になりやすく、その後のクラブヘッドの軌道や、クラブフェースの挙動が不安定になりやすくなります。

↓↓ならないようにしたいテークバック

ゴルフのテークバック悪い例 後方から

バックスイングでのパッシブトルク

テークバックで受け入れたクラブのねじれによる負荷を利用して、、寝たクラブを立てるのがバックスイングです。複雑で難しい動作ですが、実はこれが一番、テークバックからバックスイングにかけてシンプルなクラブヘッドの軌道を描きます。

寝てから立てる、寝てから起こす。この「立てる」「起こす」がバックススイングでのパッシブトルクを活かした時に起こる動きです

ゴルフのバックスイング良い例 正面から ゴルフのバックスイング良い例 後方から

クラブのねじれを受け入れてからの「立てる」「起こす」が無いと、クラブは前に倒れてしまい、理想的なスイングプレーンから大きくそれてしまいます。バックスイングで理想的なスイングプレーンから外れれば外れるほど、トップオブスイングが乱れ、よってダウンスイングが乱れ、よってインパクトが乱れます。

↓↓ならないようにしたいバックスイング

ゴルフのバックスイング悪い例 正面から ゴルフのバックスイング悪い例 後方から

テークバックからバックスイングにかけての流れを掴むことが、ダウンスイングの流れを掴むことに繋がる

極端な言い方になってしまいますが、テークバックからバックスイングにかけての『パッシブトルクの活かし方』について理解ができていないまま、ダウンスイングでパッシブトルクを活かしたスイング作りを目指しても上達へと向かうことは難しくなります。

一時的に良くなることはあるかもしれませんが、長続きはしません。

ダウンスイングよりもテークバックの方が、かなり動きが穏やかです。そのテークバックで、うまく体とクラブの動きをコントロールすることができずに、力強く体やクラブを使うダウンスイングでコントロールしきれるはずがありません。

冒頭、参考記事内で、「とってつけたように小手先でクラブを寝かせても、獲得したい動きを獲得することはできません」と言っているのはその為です。

それぐらい、テークバックからバックスイングにかけてのパッシブトルクは重要です

まとめ

【テークバックからバックスイングにかけての注意点】

  • テークバックでは両腕を脱力してクラブフェースが閉じようとする動きを受け入れる
  • クラブフェースが閉じようとする負荷、ヘッドの重みの負荷を利用して、反動をつけるようにクラブヘッドを上昇させる
  • バックスイングからトップオブスイングにかけて両腕を脱力させる

パッシブトルクと言う言葉にすると、小難しい印象を受けますが、シンプルなスイングをするための重要な要素なので、少しずつ理解できるように練習に取り組んでみて下さい。