ピンが見えると、そのピンを狙いたくなってしまいますよね。狙ったところに行くとは思っていなくても淡い期待を抱いてしまうものです。多くのゴルファーはピンを狙いすぎています。ピンが左右に振られていても、前後に振られていても、構わずピンを狙います。
アメリカの男子プロゴルフツアーであるPGAツアーの選手のゴルフの膨大なデータをまとめた『データ革命』という本ではこのように書かれています。
PGAツアーの選手は、カップまで100~150ヤードの地点から半分の確率で打つ前の距離の5.5%以内に寄せている
つまり、100ヤード地点から打つと半分は5.5ヤード以内、150ヤード地点から打つと半分は8,25ヤードに寄せている、ということです。
もっとビタビタと、ピンに絡んでいると思っていましたか?テレビでトーナメント中継を見ていると、ピンに絡むショットが多く観られますよね。100ヤード地点からなら尚更。しかし、あれは、そのようなショットを集めているからであり、全員のショットがピンに近づくわけではありません。意外に世界のトッププロでも、100ヤード地点から10ヤード以上のロングパットが残ったり、更にはグリーンオンしないことだってあるのです。
これは、グリーンの硬さや速さなど、グリーンコンディションの難しさも影響していますが、プロでもこの程度なのですから、アマチュアがピンを積極的に狙うことは、良いマネージメントとはいえません。
平均的な90プレーヤーはカップまで100~150ヤードの地点から半分の確率で12%以内に寄せているが、プロと比べると倍以上の距離を残している。具体的な数字を使うと、カップまで125ヤードの地点からPGAツアー選手は半分の確率で21フィート以内に寄せ、平均的な90プレーヤーは半分の確率で45フィート以内に寄せている
21フィートと45フィート。平均スコア90以上のゴルファーは、プロの倍以上距離を残してしまうという事が分かると同時に、プロでもPWで打つような距離からのショットでも、全体の半分は次打が21フィートより長くなってしまう、ということが分かります。(1フィートは30.48センチです)
さらに、こう書かれています。
PGAツアー選手がカップまで100~150ヤードの地点からショットすると、80%の確率でグリーンに乗せるかグリーンエッジまで運ぶ。平均的な90プレーヤーがグリーンに乗せるかグリーンエッジまで運ぶ確率は、わずか46%だ。この結果から指標をコースマネージメントに生かすヒントが得られる。ほとんどの90プレーヤーは、カップまで100~150ヤードの地点から打つ時にはグリーンセンターを狙った方が良いということだ
「ほとんどの90プレーヤーは、カップまで100~150ヤードの地点から打つ時にはグリーンセンターを狙った方が良いということだ」
そうです、ピンを狙わずグリーンセンターを狙った方がスコアを作りやすくなります。タイガー・ウッズ選手でも6番アイアンより長いクラブでは、ピンを狙わないそうです。タイガーでもそんな感じなのです。がむしゃらにピンを狙うことはリスクが大きそうですね!?
グリーンセンターを狙って、確実にグリーンの乗せることができるようになってから、ピンを狙うようにすると良いです。スコア的には70台が出せるレベルになってからピンを狙うべき、ということが言えるかもしれません。
それぐらい、ピンを狙うというマネージメントは、リスクとリターンの部分においてとてもリスクの方が大きいのです!
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