よく、スイング中、アドレス時の下半身の形を保とうと、下半身を固めて、下半身を一切動かそうとせず、インパクトを迎えようとする人がいます。実は、この意識だと逆に下半身はぶれてしまうんです!
「下半身の安定」とは?
プロゴルファーのスイング中の下半身を見ていると、とてもどっしりと安定感があってぶれないですよね!?左右の重心移動、前後の重心移動、骨盤の回旋、内転筋、大殿筋や中殿筋での重心移動や骨盤回旋の受け止めなどが、高い水準でできているので安定感があります。
この安定感があれば、上半身の力を効率よくボールに伝えることができます。また、多少タイミングずれても、ミスを最小限でおさえる事ができます。さらには、強風時や傾斜地でも、バランスを保ってスイングする事が可能となります。
「下半身の固定」とは?
腰の向きも、膝の角度も保ち、腰から下を一切動かさないことです。スイングのバランスを保つために「土台を安定させてスイング中の身体の安定感を獲得する」ことが目的で行っているゴルファーが多いです。が……
ゴルフスイングにおける下半身の「安定」と「固定」の違い
「固定」とは、一定の位置に止まって動かないこと。または、動かないようにすることを言います。「安定」とは変動の少ないことを言います。
これを掘り下げて考えると、「安定」は柔軟性があり「固定」は柔軟性がないということになります。たとえば体を固めて、つまり固定して立っているとします。その状態で、人からポンと、押されたらどうなりますか?バランス崩しますよね?
しかし、安定して立っていると、人からポンと押されても、体のどこかに力を入れてバランスを保つことができます。右から押されたら、左に戻ろうと体幹に力を入れたり左足で踏ん張れるのが「安定」している状態です。
家に置き換えてみましょう。地面に固定された家と、地面に固定しきらずある程度可動性を持たせた家、どちらが地震に強いと思いますか?ある程度可動性を持たせた家ですよね?
下半身をどう使えばよいか
ゴルフスイングにおいて、始動からフィニッシュまで、体のあらゆる箇所の回旋や重心の移動、腕やクラブの勢いにより、様々な箇所に、そして、様々な方向に様々な大きさの負荷がかかります。
軸を「安定」させ、スイング中のバランスを「安定」させる為には、あらゆる力に”もっていかれない”動きが必要になります。クラブを右に動かしたら、体を“右に持っていかれない”ための右以外の方向への何らかの力が必要ということです。それは骨盤の回旋であったり、重心移動の意識などになります。
しかし、「固定」していると、その”持っていかれない”ための何らかの力を使うことができません。持っていかれっぱなしです。特に、最も力が入る切り返しからインパクトでは、”持っていかれまくり”になります。
「固定」は「不安定」に繋がります。「安定」させるためには「固定」せず、回旋運動や重心の移動をし続ける必要があるのです。
もちろん、スイング中やたらめったら動きまくればいいというわけではありません。ただ単に体が暴れているだけのスイングになってしまいます。
土台には柔軟性、可動性を持たせましょう!