ゴルフスイングは、クラブヘッドに意識を置いて、がむしゃらにクラブヘッドを加速させようとしても、思うようには加速させることができません。グリップエンドを引くことで効率的に、クラブヘッドの挙動を安定させつつクラブヘッドを走らせることができます。
しかしながら、「グリップエンドを引く」ということと「ヘッドの加速」ということは関連付けにくいですよね。そこで、その部分について、分かりやすく解説している書籍と動画を紹介します。引用している、松本協著「ゴルフの力学」に記載されているものを見て、永井延宏コーチがブログに公開している動画を観ることで「グリップエンドを引く」ことと「クラブヘッドの加速」が結びつくようになると思います。
クラブヘッドの円運動
松本協氏が書いた「ゴルフの力学」は力学的にそして客観的にゴルフスイングについて解説している書籍です。難解な用語が出てきており、理解するのに少し時間を要しますが、上達を望むゴルファーは知っておきたい内容が書かれています。
その中で、グリップエンドを引くことの大切さについて、重点を置いて説いています。ヘッドを早く降ろしてしまうアーリーリリース、インパクト時に左手甲側に手首が折れるキャスティング、フォロースルーで左肘が後方に引けるチキンウィング、いずれも、この点について理解を深めることで解消へと向かう期待が持てるぐらい大切なポイントです。
グリップエンドを引くことについて触れられている箇所の一部を下記の通り紹介します。前後の流れがあっての下記文なので、さらに詳しく知りたい方は書籍を購入してください。(ゴルフの力学はkindle unlimited対象書籍。kindle unlimitedは30日間無料体験実施中。※2020年8月26日時点)
物理学上、物体を円周上に一定の速度で円運動させるには、必ず円の中心方向へ加速度をかけなければならない。
紐を結んでぶら下げた5円玉をクルクル回す場合、物理的には紐を中心方向の端に向かって引っぱり続ける、つまり円の中心方向へ加速度を与え続けることにより円運動が継続されていると解説される。
かかる遠心力や重力とは反対方向にエネルギーを使うことで、先端は加速するということです。
ゴルフクラブが円を描くのは、グリップエンドの方向にクラブを引き続けているからなのだ。詳細は後述するが、これがγフォースの本質で、遠心力と飛距離の源泉といえるのである。
クラブスピード向上や、スムーズなフェースターンは、引き続けていることで成立するということです。ひいては、これが飛距離アップにつながります。
このプロセスにおいて大切なのは、クラブヘッドが円を描く物理的な原動力であるグリップエンドを引く(γフォース)ことを途切らせないこと。また、それを実現するためには曲率中心を安定的に確保し続ける、すなわちカラダ側のポジショニングとバランスが重要となる。膨大な重力に負けずにクラブを引き続けるためにカラダ側にアンカー(支点)を保たねばならない。
カラダの支点(なじみあるワードの「軸」、としても良いでしょう)を、安定させることでグリップエンドを引く続けることができます。支点が不安定になると、そのズレを補正する動きが必要になってくるので、引き続けることが難しくなります。
また、カラダの支点を安定させるためには、遠心力や重力に対抗するカラダのエネルギーが必要になります。これは、遠心力や重力がかかる方向とは反対方向へのエネルギーです。
グリップエンドを引くことのビジュアルイメージ
上記のような文だけでは分からないゴルファーは多いでしょう。そこで、永井延宏コーチのブログで公開されている動画を紹介します。ゴルフスイングの仕組みについて、遠心力がかかる方向とグリップエンドを引く方向について、割り箸と輪ゴムを使って解説されています。
「ヘッド方向とグリップエンド方向にかかり力について理解することでゴルフスイングを3次元的に理解することができる。それが、自分のスイングに何が必要かを解明することにつながる」と述べています。
それでは、ご覧ください。
3Dチャレンジ説明動画 情報量満載!ブログ用動画。 長過ぎてうまく貼り付け出来ないので、Facebook経由とします。 テキストはコチラからご覧ください。 https://www.thumbng.com
永井延宏さんの投稿 2020年5月2日土曜日
グリップエンドを引くということ
グリップエンドを引く、というと、フォロースルーで目標方向にグリップエンドを引く、ことを連想するかもしれませんが、大切なのは「グリップエンド方向にグリップを引く」ということです。ここを間違えてはいけません。グリップエンドを直線的に引いたり、押しててしまっては、体幹と腕とクラブの連動は難しくなります。
遠心力や重力といった、スイング中に生じている力に目を向けて、グリップエンドを引くイメージをより膨らませていきましょう。そうすれば、課題を抱えている箇所の問題解決にもつながるはずです。