より安定したスコアでプレーすることを目指す場合、ラウンド中に使うボールの種類は1種類にした方が良いでしょう。ゴルフボールはそれぞれ、飛距離やスピンのかかり具合が微妙に異なるため、複数の種類のボールを使うと距離感を安定させにくくなります。
それ以上にボールそれぞれ打感が異なるため、イメージを膨らませたり、ショットした後にフィードバックをすることが難しくなります。
エースボールを決めるのがベストですが、いろいろな種類のボールを買って、残ったボールを見るといろいろなボールが混在している、ということはよくあると思います。そうなった場合は、ラウンドでいろいろな種類のボールを使わざるを得ない場合があるので、せめてそれぞれのボールの打感は把握しておくようにしましょう。
ロストボール袋売りは要注意
ゴルフショップではいろいろな種類のロストボール(中古のボール)が安価で袋売りされていたりしますが、この扱いにも注意が必要ということになります。
ロストボールは安価なので、OBになったり、池に入ったりしてボールがなくなった時のことを考えると、ありがたい商品です。中には新品だと高価なボールも混ざっていることもあるため、‟お得感”があります。
ただ、複数の種類のボールを使う際は注意が必要、という観点で行くと、ダース売りで最も安い価格帯のボールでそろえる、ということも選択肢に加えて良いかもしれません。
いろいろなボールでデータ測定
7番アイアンでいろいろなボールを打ち、弾道測定器SKYTRAKでデータを測定しました。ボールは8種類。キャロウェイのCHROME SOFT(クロムソフト)、タイトリストのProV1、ProV1 X、VELOCITY(ヴェロシティ)、ツアーステージのX01 MILD、飛衛門(トビエモン)、キャスコのKIRA、ダンロップのHi-Brid SoftFeelです。
それぞれのボールがどの年代のモデルかは不明です。
キャロウェイ CHROME SOFT | |||
飛距離(Y) | バックスピン量(rpm) | 打ち出し角(°) | |
1 | 146.1 | 6310 | 20.9 |
2 | 145.8 | 6006 | 20.0 |
3 | 152.2 | 5389 | 21.1 |
4 | 145.3 | 6293 | 21.4 |
5 | 149.7 | 6278 | 20.5 |
平均 | 147.8 | 6055 | 20.8 |
タイトリスト ProV1 | |||
飛距離(Y) | バックスピン量(rpm) | 打ち出し角(°) | |
1 | 144.3 | 6392 | 19.1 |
2 | 151.3 | 5554 | 21.0 |
3 | 146.2 | 6115 | 21.1 |
4 | 142.7 | 6261 | 23.0 |
5 | 145.9 | 6234 | 21.8 |
平均 | 146.1 | 6111 | 21.2 |
タイトリスト ProV1 X | |||
飛距離(Y) | バックスピン量(rpm) | 打ち出し角(°) | |
1 | 145.6 | 6203 | 19.8 |
2 | 144.5 | 6185 | 20.9 |
3 | 145.1 | 6349 | 20.4 |
4 | 146.3 | 6369 | 21.1 |
5 | 144.9 | 6107 | 20.2 |
平均 | 145.3 | 6243 | 20.5 |
タイトリスト VELOCITY | |||
飛距離(Y) | バックスピン量(rpm) | 打ち出し角(°) | |
1 | 145.8 | 6231 | 19.7 |
2 | 145.3 | 5963 | 20.7 |
3 | 142.1 | 6711 | 20.3 |
4 | 145.8 | 6080 | 20.1 |
5 | 145.7 | 6696 | 20.5 |
平均 | 145.0 | 6336 | 20.3 |
ツアーステージ X01 MILD | |||
飛距離(Y) | バックスピン量(rpm) | 打ち出し角(°) | |
1 | 145.1 | 6016 | 20.7 |
2 | 145.9 | 5938 | 20.7 |
3 | 146.0 | 6121 | 21.9 |
4 | 144.9 | 6107 | 20.2 |
5 | 143.4 | 5546 | 19.7 |
平均 | 145.1 | 5946 | 20.6 |
飛衛門 | |||
飛距離(Y) | バックスピン量(rpm) | 打ち出し角(°) | |
1 | 147.0 | 6246 | 21.6 |
2 | 146.0 | 5636 | 22.0 |
3 | 152.3 | 4776 | 21.1 |
4 | 146.3 | 6221 | 20.6 |
5 | 149.0 | 5719 | 21.3 |
平均 | 148.1 | 5720 | 21.3 |
キャスコ KIRA | |||
飛距離(Y) | バックスピン量(rpm) | 打ち出し角(°) | |
1 | 143.7 | 4361 | 23.1 |
2 | 149.9 | 6070 | 20.6 |
3 | 147.0 | 5010 | 22.2 |
4 | 149.6 | 5388 | 21.8 |
5 | 145.7 | 5757 | 21.3 |
平均 | 147.2 | 5317 | 21.8 |
ダンロップ Hi-Brid SoftFeel | |||
飛距離(Y) | バックスピン量(rpm) | 打ち出し角(°) | |
1 | 148.2 | 6253 | 20.8 |
2 | 147.8 | 5965 | 22.3 |
3 | 150.1 | 6645 | 21.1 |
4 | 142.2 | 5669 | 21.9 |
5 | 146.7 | 5771 | 19.9 |
平均 | 147.0 | 6061 | 21.2 |
ダンロップのHi-Brid SoftFeelは10年以上前に発売されたボールですが、なかなかの性能でした。プロ使用球を使っている人は、打感が合わないかもしれませんが。
飛距離の差は大きくはない
上の各ボールの測定結果を見ても分かるように、どのボールも飛距離は大きな差はないようです。ただ、プロが使用するような性能を謡っていない、飛衛門やKIRAはスピン量がやや少ないようです。
ボールの反発力ではやや劣る分、スピン量を抑える構造にすることで、飛距離をほかのボールに見劣りがしないようにしていることがうかがえます。
全体的にデータ上は大きな差はありませんが、打感には明らかな差があります。インパクト時、硬い感じがするものや柔らかい感じがするもの。球離れが早い感じがするものや遅い感じがするものなど、様々です。
冒頭で触れたように、ラウンドで使うボールについては注意が必要です。ボールの性能を試す、という意味も兼ねたラウンドであれば、いろいろな種類のボールを使って問題ないでしょうが、より良いスコアを出す、という一点を考えるのであれば、一種類のボールのプレーした方が良いでしょう。