ゴルフクラブを短く持つのと長く持つのとではどちらが有利なのか

ゴルフのグリップ その他

ゴルフクラブを長く持っている、もしくは長く持ちすぎているゴルファーは多いです。長く持った方がクラブヘッドがインパクトで加速する‟感じ”が本能的にするかもしれませんが、長く持っても加速するとは限りません。加速するとしても、そのメリット以上のデメリットを受けてしまうリスクがあるので注意が必要です。

クラブを長く持つメリットとデメリット

長く持っているゴルフグリップ
長く持っている状態

メリット

ゴルフクラブを1インチ長くすると、ヘッドスピードが1m/s上がると言われています。そして、1m/s上がると最大6ヤード飛距離が伸びると言われています。1インチは2.54センチですから、最大限長く持てば、ヘッドスピードが1m/s程度、飛距離が6ヤード程度伸びる可能性があります。

デメリット

グリップは左手の小指と薬指、左手の平の小指側がとても重要です。小指と薬指でクラブをひっかけ、左手の平の小指側でグリップエンドを押さえるようにしてクラブを支えます。

長く持つと、左手の平の小指側をうまく使うことができません。結果、クラブを担ぎ上げるようなバックスイングになったり、手元が浮き左ひじが引ける‟チキンウィング”のフォロースルーになりやすくなります。

45.5インチと42.75インチ

長く持つと、飛距離が伸びる可能性が出てきますが、方向をロスするリスクが大きくなります。以下では、ゴルフ統計のプロが45.5インチと42.75インチのドライバーを使ったショットでの飛距離と方向のバラツキについて調査した結果が報告されています。

それは、42.75インチのドライバーの飛距離が3.2ヤード劣ったが、方向が2.6ヤード優った、という結果です。

この数字を見ると問題は小さいと感じるかもしれませんが、これは、熟練者(テスト時のハンディキャップが6.1)によるものなので、非熟練者によるテストであれば、飛距離も方向ももっと優劣の差が大きくなる可能性が高いです。

45.5インチと42.75インチのドライバー ショット比較
  45.5インチ 42.75インチ
飛距離 248.4ヤード 245.2ヤード
左右にそれる度合い(STDEV) 22.1ヤード 19.5ヤード
30ヤード以上それる確率 17.5% 12.4%

STDEV:
標準偏差のこと。平均値からのバラツキを表す指標の一つ。

長く持ち過ぎに注意

一つ言えそうなのは、1インチ長くなって6ヤード伸びる、というのは、ゴルフクラブの理論上であって、クラブを人が操るということをふまえると、さらに、その人のゴルフレベルをふまえると、そうとは限らないということです。「6ヤードも伸びない」だけでなく、「逆に短い方が伸びる」ということも、ゴルファーによっては起こりえるでしょう。

左手の平の小指側が使いにくくなる、という点においても、長く持っても受けられる恩恵は大きくない、という点においても、短めに持った方が良いでしょう。

ヘッドスピードを上げたいのであれば、クラブを長くして、左手の平がはみ出ないように持つと良いでしょう。

ゴルフグリップ 標準
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