パターの製造方法【完全削り出し】とは?鋳造とは何が違うのか

ピン PLD ミルド パター その他

パターのヘッドは2種類の製造方法があります。一つが「鋳造」、もう一つが「削り出し」です。鋳造とは、素材を溶かし、金型に流し込んで形にする製造方法で、削り出しは、素材の塊を削って形にしていく製造方法です。

削り出しは手作業の工程が多く、一本一本に手間がかかることで、大量生産が可能な鋳造のものよりも高価になります。削り出しにすることで、鋳造では実現できない打感になるヘッドを作ることができます。感性を引き出すパターです。

パターの素材
出典:マスダゴルフ
※このような鉄の塊が削り出しパターになっていくのですが、この画像はこれから出てくる画像(パター)とは関係ありません。

感性が鋭いツアー選手の多くは、この削り出しパターを愛用しています。パットの名手と言われる選手の削り出しパター使用率は高いですね。

では、削り出しの工程を見ていきましょう。

1.ヘッドの輪郭を成型

ネックからヘッドまで一体成型で、ベースになるヘッドの形にします。

削り出しパターの製造工程1
出典・ピンゴルフジャパン

2.ホーゼルからフェースまでをトリミング

ホーゼル(ヘッドのシャフト側の部分)からフェースまでの、不要な部分を取り除いて、形を整えます。

削り出しパターの製造工程2
出典・ピンゴルフジャパン

3.バックフェース刻印、フェースの削り出し

メーカーやモデルなどをバックフェースに刻印します。そして、フェースに切削工具を当て表面を平らにしたり、溝を削ったりして加工します。

削り出しパターの製造工程3
出典・ピンゴルフジャパン

仕上げ

色を入れるなどの最終加工を施します。

削り出しパターの製造工程4
出典・ピンゴルフジャパン

所有感が満たされる一本に!

鋳造で作り、特殊な素材を埋め込む(インサート系)ヘッドに比べると、打感はかたくなりやすいです。メディアなどでは「かたい」と表現することはあまりないと思いますが。

上記の画像は、ピンのPLD MILLED PUTTERの製造工程ですが、削り出しパターの代表格といえば、スコッティキャメロンです。多くのゴルファーにとって高級パターとして認知されており、数百万円するものもあったりします。

高いパターを使えば、パットが確実に良くなるわけではないですが、削り出しパターには使った人にしかわからないものがあります。使ったことがない人は、一度手にしてみてはいかがでしょうか。