パターのヘッドは2種類の製造方法があります。一つが「鋳造」、もう一つが「削り出し」です。鋳造とは、素材を溶かし、金型に流し込んで形にする製造方法で、削り出しは、素材の塊を削って形にしていく製造方法です。
削り出しは手作業の工程が多く、一本一本に手間がかかることで、大量生産が可能な鋳造のものよりも高価になります。削り出しにすることで、鋳造では実現できない打感になるヘッドを作ることができます。感性を引き出すパターです。
感性が鋭いツアー選手の多くは、この削り出しパターを愛用しています。パットの名手と言われる選手の削り出しパター使用率は高いですね。
では、削り出しの工程を見ていきましょう。
1.ヘッドの輪郭を成型
ネックからヘッドまで一体成型で、ベースになるヘッドの形にします。
2.ホーゼルからフェースまでをトリミング
ホーゼル(ヘッドのシャフト側の部分)からフェースまでの、不要な部分を取り除いて、形を整えます。
3.バックフェース刻印、フェースの削り出し
メーカーやモデルなどをバックフェースに刻印します。そして、フェースに切削工具を当て表面を平らにしたり、溝を削ったりして加工します。
仕上げ
色を入れるなどの最終加工を施します。
所有感が満たされる一本に!
鋳造で作り、特殊な素材を埋め込む(インサート系)ヘッドに比べると、打感はかたくなりやすいです。メディアなどでは「かたい」と表現することはあまりないと思いますが。
上記の画像は、ピンのPLD MILLED PUTTERの製造工程ですが、削り出しパターの代表格といえば、スコッティキャメロンです。多くのゴルファーにとって高級パターとして認知されており、数百万円するものもあったりします。
高いパターを使えば、パットが確実に良くなるわけではないですが、削り出しパターには使った人にしかわからないものがあります。使ったことがない人は、一度手にしてみてはいかがでしょうか。