ROBOT×LASERBEAM(ロボ・レーザービーム)第7巻「約束の地」

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まずは、これまでのストーリーです。

融通がきかず無表情、クラスメイトからはロボと呼ばれる高校生・鳩原呂羽人。ゴルフの知識はないがレーザービームのようなまっすぐな球を打てるロボは、超高校級ゴルファー・三浦鷹山との対戦で興味がなかったゴルフに目覚め、栄藍学院のゴルフ部に入部。その後、プロへ転向する鷹山と大舞台での再戦を約束して、ロボ自身もプロになる決意をする。そして3年が経ち、プロデビュー戦で優勝したロボに世間は大騒ぎ。その試合を観ていたプロゴルファーの久瀬銀狼もロボに対抗心を見せる中、ロボは全米オープンへの出場権を懸けたマッチプレー選手権に出場する。だが大会前に責任者のドン大熊を怒らせてしまい、賞金ランク上位者との対戦が続くよう、試合を組まれてしまう。初戦の相手・銀狼と互角の勝負で進む中、ロボはドンが仕組んだコースの罠にハマってしまい、正確なショットが打てなくなる。うろたえるロボにトモヤが伝えた起死回生の一手は目を閉じて打つプレーで!?

ROBOT×LASERBEAM

景色に惑わされない為に目を閉じてショットしたロボ

ロボが目を閉じて打ったのはヤケクソでも何でもありません。ホールごとのピンフラッグの長さの違いに気が着き、景色から受ける錯覚に惑わされない為に目を閉じて打ったのです。

ホールごとにピンフラッグの長さを変えることを仕掛けたのは、ドン大熊です。

ピンフラッグが短いと遠く見え、長いと近く見えてしまいます。数値で正確な残りの距離を導き出せていても、目で見た印象が「ちょっと遠いな」「ちょっと近いな」と感じてしまい、数値を信用しきれず、結果スイングリズムを乱しミスショットになる、ということは往々にして起こります

そういうミスを回避すべくロボは目を閉じて打ったのです。目を閉じて、チップインイーグルを奪うロボっていったい……

目を閉じて練習する事はおススメ

一般的なアマチュアでも目を閉じても、そこそこボールに当たってくれます。そして、目を閉じると余計な球に当てに行く意識が生まれにくいため、リズミカルなスイングを覚えやすくなります。

とはいえ、目を閉じて練習るのは非現実的だと思うので、『目を閉じて素振り』をしてみてください、リズミカルなスイングを覚えられると同時に、スイングバランスを維持するために必要なことを知る事ができると思います。

木の上から打つ銀狼のショットはセルヒオ・ガルシアそのもの

11番ホールのティショットでは、フェアウェイキープをしたロボに対し、銀狼は大きく球を曲げて木の上の枝にボールが引っかかってしまっていました。

通常はアンプレヤブルして3打目を木の下から打つものですが、銀狼は木を登って木の上からショットします。

そして、なんと! 木の上からショットしてチップインイーグルになります。チップインイーグル返し!しかもこの状況から。

そしてこのシーン。似たようなシーンが実際のプロツアーでもありました。第6巻の紹介では「作者は、銀狼のスイングはセルヒオ・ガルシア選手のスイングを意識している」と述べました。

ゴルフコース

ROBOT×LASERBEAM(ロボ・レーザービーム)第6巻「銀狼×ロボ」

そのガルシア選手は、USPGAの試合で、『木に登って木の上に止まったボールを打つ』ことがあったのです。作者はこのことを意識して物語の中に入れたのだと思います。

本家(?)のガルシア選手は、フェアウェイに出すだけ、でした。

3番アイアン1本で育った銀狼

スーパーチップインイーグルショットを放った後、次のようなエピソードが紹介されます。

久世銀狼。彼のゴルフは祖母の家の蔵で見つけた。古い大人用の3番アイアンから始まった。師などはおらず、打ち方は遊びの中で覚えた。彼は瀬戸内海の小さな島で暮らしており、なんとその島には住民達が自力で作った小さなゴルフコースがあった。自然と大人達とゴルフをするようになった。が、3番アイアン1本にもかかわらず自由自在に球を打ち分ける。彼の飛びぬけた才能にすぐに大人達も勝てなくなった。ましてや島の人口はわずか百数十人。小学校も全校生徒で9人のみ。同年代では競う相手すらいない。「もっと上手い奴と… 思い切りゴルフで腕比べがしてみたい」狼は飢えていた

これは、もろ、セベ・バレステロスです。

セベ・バレステロスは3番アイアンのヘッドに枯れ枝を取り付けて、遊びの中ででゴルフを覚え磨いていったようです。

セベ・バレステロスは歴史に残る名プレーヤーの1人でスペインの英雄です。セルヒオ・ガルシアもスペイン人でセベに憧れていた選手の1人です。

作者は、ガルシアとセベのエピソードを銀狼に詰めたと思われます。

銀狼の17番ホールPAR5での第3打は残り19.5ヤードのアプローチ。手にした番手は3番アイアンでした。惜しくもチップインとはなりませんでしたが、セベDNAを感じる1シーンでした。

奇跡のチップインイーグルで勝利!そして……

体力が底をついたロボは最終ホールの第2打、125ヤードを4番アイアンでハーフスイングをします。結果はチップインイーグル!晴れて勝利し、全米オープンの出場権を手にします。

そして、その全米オープンの会場で待っていたのは三浦鷹山でした。

ROBOT×LASERBEAM 第7巻
ROBOT×LASERBEAM

参考価格:432円(税込)