今はプロ、アマ問わず、ロングアイアンは使わず、フェアウェイウッドやウッド型ユーティリティを使うことが主流になっています。
しかし、いくら使い勝手が良いからといって一般のゴルファーがウッド系のクラブに頼り過ぎる事はよくありません。ウッド系のクラブに頼り過ぎることは上達の妨げになってしまいます。
ゴルフショップで並んでいるアイアンセットは、男性用が6番アイアンから、女性用が7番アイアンから、が主流になってきました。ロングアイアンの代わりに、フェアウェイウッドやユーティリティを使う選択肢を与える為です。
ウッド系のクラブを使うも良し、4番、5番アイアンを使うも良し、いずれにせよ、ゴルファーそれぞれの状況や好みによって、クラブセッティングに柔軟性を持たせられるようになりました。
昔のアイアンのクラブセッティングは3番アイアンから、がスタンダードでした。ツアープロ達は2番アイアンからセッティングしていた選手も多くいました。
今はもう2番アイアンをセッティングしている選手は稀です。アイアン型ユーティリティの2番アイアンをセッティングしている選手はいますが。
ウッド系のクラブの進化
『易しく飛ばせる』ウッド系のクラブの進化が多くのゴルファーに支持されています。
ゴルフクラブ開発が進み、ウッド系のクラブでも『弾道の高さ』『スピン量』『飛距離』すべてを融合させられるようになりました。
さらにアイアンに比べてスウィートスポットが広い、ラフからのクラブヘッドの抜けを良い、といったポイントも挙げられます。
よって、フェアウェイウッドやウッド型ユーティリティが支持され、ロングアイアンよりもこれらのクラブを多く使うことがスタンダードになってきました。
ウッド系のクラブを多用する落とし穴
ウッド系にクラブの扱いには注意が必要です。ウッド系のクラブは多用するとスイングに悪癖がつきやすくなります。
ネック形状
ウッド系のクラブはアイアンのようなネック形状をしていません。
アイアンのネック
フェアウェイウッドのネック
アイアンのネックはえぐれている為、アイアンショットでネック寄りにボールが当たるとシャンクし、「ピシッ」というイヤな音を発し、ボールが右斜め前方に飛びます(転がります)。
しかし、ウッド系のクラブのネックはアイアンのようにえぐれている形状をしていません。いわばネックもフェース面といえるような形状をしています。よって、ネック寄りに当たっても、ソコソコ飛ぶことがあります。
ここが落とし穴です。
ネック寄りに当たる、ということは、スイング(アドレス含め)に何らかのエラーがあるということです。でも、ソコソコ前に飛ぶと、そのままエラーのことは気にすることなくゴルフを続けてしまいます。
するとどうなるでしょうか。そのエラーが固まってしまうのです。
ドライバーでもヒール寄りに当たるスイングが固まってしまうと、安定して飛距離を出すことが難しくなります。
「どうせ芯を喰わない」という心理
「どうせ芯を喰わない」からと「芯を喰わなくてもソコソコ前に飛んでくれるユーティリティを使う」という流れが基本線になってしまうと、上達しにくくなります。
ただ当てるだけ、のスイングになるからです。
「小さいエネルギーを最大限ボールに伝える」「ボールを捕まえる」といったショットを打てるスイングを構築することが遠のきます。
例えばピンまで残り160ヤード、の状況
池超えなど、何が何でも越えなければいけないものがある場合などは、芯を喰わなかった保険をかけて、6番アイアンで届く残り距離でも5番ユーティリティなどのウッド系のクラブを使うこともありだと思いますが、何のハザードもない残り160ヤードで、十分6番アイアンで届く距離であるにも関わらず、6番アイアンではなく「ミスしてもソコソコ前に飛ばせる」5番ユーティリティを使うことはおススメしません。
ミスしても、6番アイアンを使うことが上達への近道です。
その方が「ボールを捕まえる」「体の圧をボールにかける」動きを獲得しやすいからです。そして、6番アイアンや5番アイアンに自信が持てるようになってくると、ウッド系のクラブがもっと打ちやすくなる期待が持てます。
スイングの基本はアイアンショットにあります。
ウッド系のクラブが進化してもアイアンに重点を置く
ドライバーもですが、ウッド系のクラブが進化しているにも関わらず、一般ゴルファーの平均スコアは向上していないように感じます。
それは、「そのクラブの進化に寄りかかり過ぎるとクラブの進化をスコアに活かせない」ことを表しているのではないでしょうか。
ウッド系のクラブがどれだけ進化しても、アイアンショットに重点を置いた方が上達は早いでしょう。
特に女性は要注意です。女性ゴルファーは男性よりアイアンを使う頻度が少なくなりがちです。ミドルホールの場合「ドライバーとウッド系のクラブを2回ぐらい打ったら次はアプローチ」となりやすいです。
コースラウンドでも基本はアイアンで良いショットを打てたら届く残り距離であれば、アイアンで打つべきですが、ウッド系のクラブを使うにしても、練習はアイアンを中心に取り組みましょう。