テーラーメイドのボールを使ったことはありますか?世界的に見てボールメーカーとして最も認知度が高いブランドがタイトリスト。タイトリストのProV1は多くのプロや上級者に愛用されているボールです。そして、そのProV1の開発者ディーン・スネルはテーラーメイドにヘッドハントされてボール開発に携わっていました(今はスネルゴルフという独自のブランド「スネルゴルフ」を設立しています。なんでも、スネルは40もの取得済み特許に名を連ねているとか)。
そのように有能な開発者を招聘するなど、ボール開発にも力を入れているテーラーメイド。リッキー・ファウラー選手がボール契約をタイトリストからテーラーメイドに変えた時は話題を集めましたね。テーラーメイドが自信を持って世に送り出している「TP5/TP5x」を紹介します。そして、試打しましたのでレビューします。
ボール TP5 TP5x
5層構造とHFM
テーラーメイド独自の5層。スピン性能を損なわず、最大キャリーを実現する「トライファストコア」や柔らかさを特徴とする「ソフトキャストウレタンカバー」を搭載しています。
新たに開発された、従来よりも30%高弾性な素材「HFM:HIGH FLEX MODULUS」が、初速アップに効果を発揮するようです。5層の内の4層目に採用されています。
「TP5とTP5xの違い」と「ProV1とProV1xの違い」は同じ?
※数字が黒文字がTP5で赤文字がTP5xです。
「x(エックス)」がつかないモデルとつくモデルがあるものでいうと「ProV1」シリーズが挙げられると思います。xの有無の特徴が「TP5シリーズ」と「ProV1シリーズ」でどう違うのか、公式ページにあるスペックを参考に比べてみます。
タイトリストの公式ページには「ProV1」と「ProV1x」の違いに関する説明があるので引用します。
「プロV1」は、「プロV1x」と比べて打感がよりソフトで、ロングゲームでのスピンがやや多いのが特徴。風に負けない強い中弾道で落ち際の角度が浅く、より長いランをもたらします。「プロV1x」は、「プロV1」と比べてやや硬めの打感でロングゲームでのスピン量が少なく、高い打ち出しにより理想的な高い弾道を実現します。
テーラーメイド「TP5」と「TP5x」の性能の違い | ||
TP5 | TP5x | |
構造 | 5層構造 | 5層構造 |
初速 | 速い | 速い |
カバー | HFM | HFM |
弾道 | 中/高弾道 | 高弾道 |
打感 | よりソフト | ソフト |
アイアンスピン | 普通 | 少なめ |
ウェッジスピン | かなり多い | 多い |
タイトリスト「ProV1」と「ProV1x」の性能の違い | ||
ProV1 | ProV1x | |
ショートゲームコントロール | 最適 | 最適 |
飛距離性能 | 優れている | かなり優れている |
打感 | かなり柔らかい | 柔らかい |
ドライバースピン量 | やや少ない | 少ない |
弾道 | 中弾道 | 中/高弾道 |
表現の差はありますが、公式ページによるxの有無による違いは同じ傾向と見て良さそうです。
TP5 TP5x 比較
TP5とTP5xを試打したので比較します。使用した測定器はSKYTRAK(スカイトラック)でサンドウェッジ(56度)と7番アイアンをそれぞれ5球ずつ測定しました。
測定データ
TP5 SW 測定データ | ||||
キャリー距離(Y) | 左右ブレ(Y) | スピン量(rpm) | 打ち出し角(°) | |
1 | 83.0 | -0.3 | 9263 | 30.9 |
2 | 77.3 | -1.6 | 9177 | 26.3 |
3 | 84.9 | -6.7 | 9743 | 29.0 |
4 | 81.7 | -3.3 | 8657 | 31.5 |
5 | 85.2 | -0.7 | 9475 | 30.7 |
平均 | 82.4 | – | 9263 | 29.7 |
TP5x SW 測定データ | ||||
キャリー距離(Y) | 左右ブレ(Y) | スピン量(rpm) | 打ち出し角(°) | |
1 | 83.7 | -4.6 | 8821 | 30.1 |
2 | 88.3 | -10.6 | 8752 | 29.6 |
3 | 82.4 | -1.4 | 8631 | 31.7 |
4 | 84.7 | -1.1 | 9054 | 29.2 |
5 | 82.7 | -3.7 | 8757 | 31.6 |
平均 | 84.4 | – | 8803 | 30.4 |
TP5 7番アイアン 測定データ | ||||
キャリー距離(Y) | 左右ブレ(Y) | スピン量(rpm) | 打ち出し角(°) | |
1 | 140.8 | 3.2 | 6628 | 19.6 |
2 | 138.2 | 3.9 | 6926 | 18.9 |
3 | 136.5 | -3.1 | 6264 | 19.9 |
4 | 138.2 | -4.0 | 6568 | 17.9 |
5 | 141.2 | 5.7 | 6797 | 19.3 |
平均 | 139.0 | – | 6637 | 19.1 |
TP5x 7番アイアン 測定データ | ||||
キャリー距離(Y) | 左右ブレ(Y) | スピン量(rpm) | 打ち出し角(°) | |
1 | 145.4 | -9.7 | 5500 | 19.5 |
2 | 138.1 | -5.3 | 5691 | 20.3 |
3 | 141.7 | -1.6 | 5275 | 21.0 |
4 | 141.2 | -1.6 | 5344 | 21.7 |
5 | 142.3 | -1.6 | 5282 | 21.3 |
平均 | 141.7 | – | 5418 | 20.8 |
※「左右ブレ」の平均は算出していません。+5(5ヤード右)と-5(5ヤード左)の平均が0(まっすぐ)となってしまうので。
SW・7番アイアン 平均比較とレビュー
SW 平均比較 | |||
キャリー距離(Y) | スピン量(rpm) | 打ち出し角(°) | |
TP5 | 82.4 | 9263 | 29.7 |
TP5x | 84.4 | 8803 | 30.4 |
7番アイアン 平均比較 | |||
キャリー距離(Y) | スピン量(rpm) | 打ち出し角(°) | |
TP5 | 139.0 | 6637 | 19.1 |
TP5x | 141.7 | 5418 | 20.8 |
TP5xはTP5に比べて高打ち出し&低スピンのボールと言えそうです。TP5ではSWの時の5球平均で30.0°を切る結果になりましたが、これはヒール寄りに当たった26.3°のショットが影響してのもので、SWでの打ち出し角の差は無かったといえます。
しかしながら、それ以外の項目を見るとTP5xはTP5に比べて高打ち出し&低スピンと言えそうです。その低スピンが影響してキャリー距離も高いものになったと推察できます。今回、ドライバーでは試しませんでしたが、ドライバーでも同じような傾向が見られそうです。
まとめ
打感に関しては、人によって感じ方が違うようですが、筆者は公式ページ通りに、TP5の方がTP5xよりも柔らかく感じました。測定データを見る限りは「TP5:スピン性能重視」「TP5x:飛距離性能重視」と言えそうです。筆者が使うならTP5xでしょうか。中身はそのままで、ボール表面に「クリアパスアライメント」が加わえられたTP5 PixとTP5x Pixも合わせて検討してみてはどうでしょうか。すでにマークダウンされていて値下げされているのでお買い得です。
TP5
参考価格:3,960円(税込)
TP5x
参考価格:3,960円(税込)
TP5Pix
参考価格:4,469円(税込)
TP5xPix
参考価格:6,237円(税込)