日本男子ゴルフツアーで、2018年、2019年と2年連続賞金王に輝いた今平周吾選手のスイングについて解説します。高いパーオン率(2019年:2位・72.04%、2018年:4位・69.48%)を誇るショット力はスイングのどういった部分によるものなのか、今平選手のインスタグラムに投稿されているスイング動画を参考にスイングの特徴を分析します。
過去3年のショット部門 主なスタッツ
パーオン率 | ドライビングディスタンス | フェアウェキープ率 | ||||
記録 | 順位 | 記録 | 順位 | 記録 | 順位 | |
2019年 | 72.04% | 2位 | 292.93Y | 28位 | 54.22% | 46位 |
2018年 | 69.48% | 4位 | 287.09Y | 32位 | 58.91% | 25位 |
2017年 | 70.45% | 2位 | 288.26% | 31位 | 56.16% | 31位 |
特筆するべきはパーオン率の高さです。毎年上位に入っています。飛距離が出るタイプの選手ではありませんがアイアンやユーティリティウッドの精度が高いということですね
スイングの特徴
つま先内向きのアドレス
つま先を開かず、両つま先とも閉じています。やや内向きと言ってもいいぐらい閉じています。これは今平選手の体の構造がそうさせていると言えそうです。今平選手は内またで歩いています。おそらく股関節が内旋傾向にあるのでしょう。それがアドレスに影響していると思われます。
カメラの角度的にこちらの画像ではつま先の向きは分かりにくいかもしれませんが、内向きです。
深い捻転のバックスイング
アドレス時の右膝の角度や左膝の位置をほとんど変えずに、肩が90度以上(100度程)回っています。右股関節が内旋傾向にある特徴も手伝い、俗にいう”右サイドの壁”がしっかり作られているのがポイントです。飛距離が出るタイプではないものの身長165センチと小柄ながら2019年のドライビングディスタンスは290ヤードであることや、少しグリップを余らせて握ってもこれだけでの飛距離が出せるのはこの腰部と胸部の捻転差によりパワーのためが影響しているでしょう。クラブの収まりもよく飛球線とほぼ平行なスクエアなトップオブスイングです。
捕まえる動きと逃がす動きがミックスされたフォロースルー
フォロースルー後半で左肘が引ける動きが特徴的です。米ツアーのジョーダン・スピース選手ほどではないものの、左肘が引けています。しかし、インパクト直後のフォロースルー初期では左手が右手の下にきているところを見ると前腕の回旋があるのが見て取れます。つまり、しっかり球をつかまえつつ逃がしている、ということです。タイガー・ウッズ選手もそのようなつかまえつつ逃がす、という動きになっています。
一見、そのような流れは複雑な流れに感じるかもしれませんが、ある意味、最もクラブフェースの向きが一定になる流れと言えます。
驚異的なトップ10率 このスイングがあれば盤石か
競技数 | トップ10 | トップ10率 | |
2019年 | 25 | 16 | 64% |
2018年 | 24 | 14 | 58.3% |
2017年 | 25 | 14 | 56% |
計 | 74 | 44 | 59.5% |
今平選手といえば”ミスター安定”です。2017年から2019年の3年間のトータルで出場した日本ツアー74試合中44試合でトップ10に入っています。トップ10率が約60%という驚異的な安定感を誇っています。4大メジャーなど海外のツアーでは思うような結果を残せていませんが、ショットの安定感を武器に近い将来海外ツアーで輝く日を姿を早く見てみたいですね。