2018年10月11日(木)~14日(日)に、神奈川県にある横浜カントリークラブで日本オープン2018が開催されました。優勝したのは稲森佑貴選手です。そして、この優勝が初優勝となりました。
前半は2位に1打差に迫られることもありましたが、9番10番の連続バーディで落ち着き最終的には2位に2打差での優勝になりました。9番ホールのバーディは、入らなければ3メートル程オーバーする強さでしたし、10番ホールは第2打をミスしてあわや右手前のバンカーに入りかけながら、なんとかグリーンをとらえてからの長いバーディパットを沈めてのバーディでした。
ある意味、2ホール連続ラッキーがありました。
優勝するときは、こういったツキも味方になるというものなのでしょう。
今シーズン、これまでも度々上位に食い込んできていた稲森選手は、今回の優勝で、賞金ランキングが2位となり、賞金王の座も視界にとらえられてきました。
稲森選手の魅力といえば、なんといっても”曲がらないショット”です。「飛距離が出なくても正確性があれば日本一の試合で勝てる」事を実証した今回の優勝は、体格に恵まれず飛距離に難があるジュニアゴルファーや、若手プロの励みになったのではないでしょうか。
3年連続フェアウェイキープ率1位
稲森選手は、レギュラーツアーの舞台で2015年~2017年まで3年連続、年間を通しての『フェアウェイキープ率1位』を、獲得しました。そして、今年も、日本オープン終了時点は2位に圧倒的な差をつけて、フェアウェイキープ率1位をキープしています。
おそらく、このまま今年もフェアウェイキープ率1位となり、4年連続フェアウェイキープ率1位になるでしょう。
今回の日本オープンでも優勝争いでプレッシャーがかかりながらも、ティショットでフェアウェイをはずすことはありませんでした。最終18番ホールPAR3のティショットは「力んじゃって引っかけた」と本人が言っているように、グリーン左奥にはずてしましまいましたが……
ウィニングパット後のガッツポーズはチェ・ホソン選手を意識
20セントほどのウィニングパット後、ガッツポーズをしましたが、このガッツポーズは、最近日本ツアー(世界でも)で注目を集めている、チェ・ホソン選手を意識してのもののようです。
「優勝する時は、このガッツポーズをしよう」と思って、それを実践したようです。落ち着いたプレーぶりとは逆で、そのあたりは若者らしくオチャメな一面もあるようですね。
締めは“虎さん”ガッツポーズ 稲森佑貴が完勝で「日本オープン」初制覇#稲森佑貴 #日本オープンゴルフ選手権競技
https://t.co/OZOno2fO8i— GDOニュース (@GDO_news) 2018年10月14日
本人はマジですが チェ・ホソンの変則スイングは日本でも話題#チェ・ホソン #フジサンケイクラシック #GDO #ゴルフ
https://t.co/L8HKeUrs14— GDOニュース (@GDO_news) 2018年8月31日
基礎力の追及が実を結んだ!?
最終日のテレビ中継で、稲森選手の組(最終組)のラウンド解説を担当した田中秀道プロは、中継中、こう言っていました。
普通、シード選手になると、オプションを鍛える努力をしがちなんですけど、稲森選手は、ひたすら基礎力の向上に努めたようで、それをうかがわせるプレー内容です。スイング的にも体幹の強いしっかりしたスイングですし、ゴルフトータルで見ても、パターからドライバーまで繋がった動きをしています。スイングだけでなくテクニック的にも、枝葉の部分ではなく、幹の部分がどんどん太く大きなものになっていっているなと感じます
これだけプレッシャーがかかった場面でも、変わらないリズムとテンポですいんぐできるのは、ショットに対する自信をうかがわせます。コースレイアウトやスコア的な状況に惑わされず、フィニッシュまで振り抜けるのは、稲森選手は私より20歳以上年下なんですけど、尊敬にすら値します。これからも、もっともっと勝てる選手になっていくんじゃないのかな、と感じます
やっぱり”基礎力”なんですね~。
田中秀道選手が言っている”オプション鍛える”というのは、もっと上に行くため必要な新たな武器を獲得する、という意味です。
例えば、「飛距離が必要」となれば、飛距離を伸ばすために、スイングをマイナーチェンジしようしたり、筋力トレーニングをしたりすることです。
「もっと高い球でグリーン上で止まるボールを打てるようになる」となれば、バリエーションとして、その弾道が打てるテクニック獲得を目指す、といったことです。
稲森選手は、そういった”オプション”の事は意識せず、ベースとなる基礎力アップを目指した、ということです。それが、結果として、飛距離アップにも、よりグリーン上で止まる球、にも繋がる、との考えなのでしょう。
それが、最近の安定した成績、今回の日本オープンでの初優勝に繋がりました。
飛ばなくても正確生でプロとしてやっていける
稲森選手の2017のドライビングディスタンスは『267.61ヤード』で同ランキングは97位です。ツアーの中では飛ばないですね。(昨年より今年の方が飛距離が伸びているようです)
日本アマチュアゴルフ選手権参加者の飛距離と比べても飛ばない方かもしれません。
この飛距離でも、トッププロとして活躍できることが証明されたことは、プロゴルファーを目指すジュニアゴルファーや、若手プロゴルファーの励みになるのではないでしょうか。
パワーゴルフ化は世界でどんどん進んでいます。
稲森選手には、日本だけでなく世界でも正確性を武器に活躍して欲しいですね。
世界に羽ばたくためにも、引き続き”基礎力”磨いて、スキルアップしていって欲しいものです。
Let’s Enjyoy Golf!