「体を使って~」と言われていたり、「手打ちOK」と言われたり、より一層の情報化社会になってきているということもあり、「どっちやねん!」と混乱しているゴルファーは多いのではないでしょうか。
感覚的表現は色々あれど『体幹主動』は必要な普遍的要素
ゴルフスイングにおいて重要なことは、腕や手首など手先に頼ってスイングしない事です。手先に頼ったスイングは、小さく、かつ、器用な筋肉に頼る事になり、毎回違うスイングになりやすくなります。
では、手先に頼らずスイングするにはどこを使ってスイングするべきなのか。それは体幹です。
体幹とは、四肢以外の肩関節から股関節の間の筋肉です。ここにある筋肉は、腹筋や背筋など大きな筋肉で、不器用な性質を持っており、毎回同じ動きを繰り返しやすくなります。
又、大きな筋肉を使うことで大きな力をボールに伝えることができ、飛距離アップにつながります。
よって、バックスイングでもダウンスイングでも体幹主動でスイングするべきなのです。
具体的には、手より体幹部である腹筋又は背筋(人によってタイプが分かれる)が、先に始動する意識を持つことが重要です。それができれば、ダウンスイングも体幹主動で行う事が可能になります。
しかし、これは、どこまでも体幹が先行するという事ではありません。バックスイングでも、ダウンスイングでも、体幹の動きを受け止める股関節やハムストリングスの働きが重要になります。
これがないと、体幹は股関節の内外旋によって、回旋させている為、身体が回転運動ではなく、横への動き(スウェイ)になってしまいます。体幹主動で股関節やハムストリングスで力を受け止め、これらの動きに腕がついてくる、そういった流れを定着させていきたいところです。
体幹主動スイングは、体にやさしい
体幹主動でスイングする事は、テクニック的な部分だけでなく、身体への負担軽減にもつながります。
手先に頼ったスイングだと、安定した球筋を打ちにくいだけでなく、脊椎を痛める可能性が高まります。インパクトの瞬間の、クラブヘッドとボールの衝撃は、かなり大きなものです。
例えば、何か(誰か)に追突されてる事を思い浮かべて下さい。衝撃の度合いにもよりますが、体幹に力を入れて準備ができている時は筋肉で衝撃を吸収できます。
しかし、無防備な体幹に力が入っていない時はどうでしょう。筋肉で衝撃を吸収しきれず、脊椎や肘関節、肩関節で衝撃を吸収することになってしまいます。車の運転中に、後ろから車で追突された(オカマをほられた)時に、追突した方の車が徐行程度のスピードでも頚椎(脊椎の上部)を痛める(むち打ちになる)のは、体幹に力を入れる準備ができていないからです。
腰椎は脊椎の一部なので、体幹主動でスイングしないと腰痛も引き起こしやすくなります。「コースラウンドのし過ぎ」「練習のし過ぎ」だけが原因でなるものではありません。
このようにテクニック的な部分だけでなく、身体の負担減の為にも『体幹主動』は重要です。ついでに言っておくと、生活のありとあらゆる動作は体幹主動が理想です、物を持つのも、立ち上がるのも座るのも、腕力や反動に頼らずに体幹のコントロールで行うことが理想的です。