ダンロップフェニックス017は、松山英樹選手が参戦とあって、注目と期待が集まりました。結果は、海外招待選手のブルックス・ケプカ選手の優勝で幕を閉じました。2016年に続く連覇です。連覇は、2012年2013年に連覇を果たしたルーク・ドナルド選手以来のようです。
パットの名手、ルーク・ドナルド選手、最近名前聞かないけどどうしているんでしょう……
ブルックス・ケプカ選手は、2017年の全米オープン優勝者です。この時の2位が我らが松山英樹選手です。それ以外にも、ケプカ選手と松山選手で優勝争いをした試合は数多くあります。よって、ケプカ選手は日本での認知度も高いんです。「この人がいなければ松山英樹が優勝だった」と唇をかんだゴルフファンも多いと思います。
そのケプカ選手、けがをしていたようです。そして、4月26日からの試合で復帰しました。
桁違いのブルックス・ケプカ
ケプカ選手の飛距離
ケプカ選手のスイングといえば、なんといっても飛距離です。700ヤード近いロングホールで2オン狙えますし、400ヤード程のミドルホールで1オン狙えます。まさに規格外の飛距離の持ち主です。
身体を見れば納得ですが、生まれ持った身体というだけでなく、やはり、トレーニングはしっかりと積んでいるようです。ケプカ選手が取り組んでいるトレーニングを一つ紹介します。
体の回旋運動に必要な要素がふんだんに取り入れられていますね。一般的な「回る」ではなく体の右サイドと左サイドの前後の直線的な動きをイメージし、さらにそれに必要な筋肉を鍛えることで、より質の高い回旋運動を実現しようとしています。「軸の安定」と「力感」を両立しようとしています。
飛距離が欲しい方は、このケプカのトレーニングを真似てみてはいかがでしょうか?
ケプカ選手のスイング
ケプカ選手の爆発的な飛距離の源は、身体だけではありません。スイングにも、飛距離の源があります。まずは、動画をご覧ください。
※少し長めの英語の動画(7分)なので適当に早送りしながらご覧下さい。
フックグリップからのシャットフェーストップ
フックグリップでクラブを握っています。そこからフェースを開かずにテークバックしていき、トップではフェースがやや上を向くシャットフェースにしています。ダスティン・ジョンソンもそうですよね。
この状態を作ると、ボールが左へ曲がるのリスクが生じるものの、インパクトでボールをしっかりとつかまえられるという特性を活用して、飛距離が出やすいです。
強烈なタメ
ダウンスイングでの左腕とシャフトの作る角度が強烈なのなんの!?「どんだけタメんねん!」というぐらいタメています。
手でボールを投げるとき、肘の曲がり具合を抑えて投げると速いボール投げられないのに対し、肘を深く曲げると、その曲がった肘を解放する時に大きな力を出すことができて早いボールを投げられますよね。その肘の曲がり具合が、ゴルフでいうところの左腕とシャフトの作る角度になります。
左肩甲骨の挙上で強烈な身体のスピン、適正なクラブヘッド入射角を実現
ダウンスイングでは身体の左サイドを切り上げるように、左肩甲骨を挙上させています。これにより、身体の高速スピンと、強烈にタメを作っているにも関わらずダウンブローになりすぎず、適正なクラブへヘッドの入射角でインパクトを迎える事ができています。動画の中のTRACKMAN計測では、「ATTACK ANGLE(入射角)」が-3.7度とダウンブローになっていますが、スピン量が2679rpmと、適正な数値になってます。ケプカが使用しているクラブ性能、ロフト角や、ヘッドスピード等トータルで考えると、これぐらいのダウンブローも適性の範囲内だということです。
これだけインパクトで左手が掌屈、右手が背屈していいれば、普通は、入射角はダウンブローになります。
飛ぶだけじゃない、曲げない要素も!
フォロースルーでは、アクティブにフェースを返しています。しかし、左肘が背後を向いています。通常、左前腕を外旋、右前腕を内旋すれば、左肘は下を向くのですが、背後を向いています。”逃がして”います。タイガーウッズもそうですが、ヘッドスピードがすさまじく速く、身体のターンやフェースターンをアクティブに使うタイプのゴルファーは、左肘を逃がして、左へのミスを抑えてることを対策の一つとしているのです。
ケプカ選手のスイングの球を曲げない要素がここです。