ゴルフスクールに通ったことがある人の中にはこのようなコメントをレッスンプロから受けたことがある人は、意外に多いのではないでしょうか。「良いスイング。直すところないです」と。
これはレッスンプロからすると誉め言葉なのですが、このコメントを受けた側としては「いやいや、自分のスコアは90台後半なんですが。良いショットの確率が低いからレッスン受けに来てるのですが。これ以上、上達しないということですか!?」などと、突っ込みたくなってしまいますよね。
このようなコメント(評価)になるのには理由があります。その理由と、そう言われた時のおすすめの対応方法、そして、そう言われないための策について解説します。
より良いゴルフやスイングを造るには、レッスンを受ける側は完全に受け身ではなく、レッスンプロに対して何らかのアクションを起こせると、そのレッスン時間がより良いものになるでしょう。
「直すところない」になる理由
当たらなくなるリスクを回避
特に、レッスンを受ける日によってレッスンプロが異なり、いろいろなレッスンプロのレッスンを受けている人は、レッスンプロからスイングを「肯定されるだけで指摘されない」という経験をする確率が上がります。
これは、ある程度打てるようになった人に対して何らかの改良を提案し試みた場合、当たらなくなる場合があるからです。しかも、スイングに大きな癖がない場合、「いじらない方が賢明」という判断になる(をする)ということは大いにあり得ます。
一度当たる確率が下がっても、次のレッスンも自分が担当するのであれば、とりあえずショットの結果はある程度度外視してスイングについて率直な見解を述べることができるかもしれませんが、いろいろなレッスンプロのレッスンを受けている人、という認識がある人に対しては、「今日の続きができない可能性が高い」となり、積極的なレッスンがしにくくなる場合があるのです。
次のレッスンも自分の枠に来てもらえるようにお願いする、ということもアリかもしれませんが、スクールによっては‟スクール全体でサービスを提供する”というコンセプトで運営されている場合があったりして、そのコーチ自ら一人の受講生との結びつきを強めることは‟微妙”となってしまう場合があります。
そうなると‟あまりスイングをいじらない”が妥当な選択となる場合があるのです。
「レッスンプロによって言っていることが違う」を回避
これも、複数のレッスンプロのレッスンを受ける場合にあることです。「レッスンプロによって言っていることが違う」.。これを回避しようとすると、「直すところない」となりやすくなります。
スクールのシステムなどの影響により、レッスンプロのスケジュールが不規則でレッスン受講者のスケジュールがレッスンを受けるプロを固定したくてもできない場合があります。その場合、複数のプロのレッスンを受けざるを得ません。
そうなると、スクールのレッスンメソッドが統一されていれば心配ないのですが、そうではなく、レッスンプロそれぞれがそれぞれのやり方でレッスンを進めていく場合、「レッスンプロによって言っていることが違う」という印象を受けるレッスンになりやすくなります。
そういった受講生の混乱を避けるために、レッスンプロの配慮として「スイングにノータッチ」の姿勢を見せる場合があるのです。
自分からコーチに具体的に聞く
レッスンプロの方から、いろいろな探りを入れていくことは必要なのですが、限られた時間で多くの人数をレッスンするグループレッスン形式では、そこまでやりたくてもできない場合があります。やろうとすると、探りを入れている途中でその日は終了となってしまったりします。
本当はそれでも良いのですが、受講生の満足度が高まらないというリスクの回避を優先すると、その手法は取れません。目の前の1球が良い当たりをすることが、シンプルに満足度が上がりますから、その良い当たりの提供を最優先せざるをえない、と考えられます。
受講生も自身のスイングの現状が明確になり、レッスンプロにとってもリスクなくレッスンサービスを提供できるようになる方法としては、受講生の方から自分の意見を述べる、というのがあります。
例えば、どんな小さなことでも質問してみるのです。例えば、「グリップを見直したいんですけどこれで合ってますか?」「映像を見て、左ひじが引けるのが気になるんですけど……」といった感じです。
そういった質問をすることで、新たなコミュニケーションが生まれ、取り組むべきポイントが見つかる場合があります。
マンツーマンレッスンであれば、すべてコーチに委ねても問題ないかもしれません。ですが、グループレッスンであれば、可能な範囲で受講生の方から、抽象的でも良いので気になる部分を訴えられると良いでしょう。
コースラウンドへ行った際は、同伴プレーヤーに撮ってもらった自身のスイング動画を、レッスンプロに見てもらうのもおすすめの取り組みです。