6月も下旬に入り、いよいよ夏本番を感じ始める時期になってきました。これからの時期は暑さも大変ですが、コースのラフが長く伸びるため、ラフからのショットが大変です。ということで、今回は「長く伸びた夏のラフからの打ち方」について述べたいと思います。
ラフには2種類の状況がある
ラフにはボールが「浮いている場合」と「沈んでいる場合」があり、それぞれ注意点が異なります。
浮いている場合
ボールの下にスペースがあるのでティアップしているような状況です。ダフったりトップしたりする不安が大きいゴルファーほど「フェアウェイよりラフ(浮いている)の方が打ちやすい」となります。
大きなミスなく安定してボールをヒットできるレベルのゴルファーにとっては、浮いていてもラフは嫌なものです。ボールの飛び方に読めない部分が出てくるからです。
浮いていても、フェアウェイとは違い、インパクト時クラブフェースとボールの間に芝が挟まり、ボールを直接ヒットすることができません。
クラブフェースとボールの間に芝が挟まると、スピンの効いた球を打つことができず、ボールが飛び過ぎてしまうことがあります。しかもそれがどの程度飛びすぎるのか、はたまた飛びすぎることはないのか、が読めないのです。
浮いている場合の打ち方
フェアウェイからと同じように打てます。ただ、打ち込み過ぎないように注意が必要です。ボールの下をクラブがくぐってしまったり、フェースの上にボールが当たってしまって飛距離が出にくくなってしまいます。
ボールが左に飛びやすいため、その点を踏まえてショットに入りましょう。
ネックに芝が絡まり、フェースが返り、フェースがクローズのインパクトになりやすいため、左に飛びやすくなります。
沈んでいる場合
度合いにもよりますが、ロングアイアンやウッド系の長いクラブで打つ事が難しくなります。グリーンまでの距離が残っていても、ショートアイアンで打った方が良い場合もあります。
ボールがラフにすっぽり沈んでいると、芝の抵抗に負けまいと力みがちになりますが、いつもの力感で打つように心がけましょう。
飛距離が読みづらい、だけでなく左右への曲がりも読みづらいです。どの程度ネックに芝が絡まるかが読めないからです。
全米オープン、全英オープン、日本オープンなど、ラフを伸ばしてコースの難易度を上げる大会を見ても、長く伸びたラフに入ると、世界のトッププロでも、左右の曲がりが読みづらいということが分かります。
沈んでいる場合の打ち方
芝の抵抗が大きくなるのでよりダウンブローに打つ必要がありますが、スイングの形を変えて打つ必要はありません。
- ボールの位置を少し右寄りにする
- クラブを短めに持つ
- フォロースルーを小さくする
この3つを取り入れてみてください。
ボールの位置を少し右寄りにする
ボールの位置を右寄りにすることで、ダウンブローになります。
クラブを短めに持つ
クラブを短く持つことで、芝の抵抗に負けにくくなります。
フォロースルーを小さくする
フォロースルーを小さくすることで、よりダウンブローに打つ事ができます。
コースマネージメントをしっかりと
「浮いている場合」も「沈んでいる場合」もスピンが効きにくいため、ボールが転がりやすくなります。よって、ボールがキャリーしてから止まりにくくなります。
ちょうどいいところにキャリーしたと思ったら、転がってグリーンをオーバーしたり、飛ぶことを想定して打ったら、グリーン手前のバンカーに入ったりと、自分ではどうしようもない飛び方をすることがあるのが「ラフ」です。
あらゆる起こり得ることを想定したうえで、コースを攻めていく「コースマネージメント力」が問われます。グリーンを狙える状況でも、あえて狙わず次のアプローチショットがしやすいエリアを狙うことも時には必要かもしれません。
がむしゃらにグリーン(ピン)を狙わずに、次のショットのことを考えながらプレーすることが、ラフからのショットの場合はより大切になります。
余裕を持って、ラフからのショットにのぞみましょう。