カシオから腰に装着することで、腰の動きを測定できるウェアラブルセンサー『HIP SPEEDER』を紹介します。2017年、高知県の黒潮カントリークラブで行われた男子ツアーのカシオワールドオープンでは来場者参加型のドラコンイベントで使われました。又、契約プロである石川遼プロ、武藤俊憲プロによるデモンストレーションイベントでも使われたようです。HIP SPEEDERは、腰の位置のベルトに引っかけるか、専用のベルトを使い、それを腰に巻いて使います。
腰が回転するタイミングや速度だけでなく、どのタイミングで腰が何度傾いているか等も分かり、体の動きを可視化できるのがこのHIP SPEEDERです。
腰の最大スピードと到達時間が分かる!
HIP SPEEDERでは『ヒップスピード(°/s)』『ヒップタイム(s)』『ヒップグラフ』『ポテンシャル飛距離(yd)』が分かります。
【ヒップスピード】腰回転の最大スピード ★男子プロ平均(1W):550(°/s) 一般ゴルファー目標値(1W):500(°/s)
【ヒップタイム】トップから最大スピードに到達するまでの時間 ★男子プロ平均:0.20(s) 一般ゴルファー目標値(1W):0.25(s)
【ヒップグラフ】腰の回転スピードの推移を表したグラフ
ポテンシャル飛距離:腰の回転スピード、タイムからカシオ独自の計算式により算出した参考値(※上半身の動きやクラブ、ボールの状態は加味されていない。実際の飛距離とは異なる計算値)
ヒップグラフの波形パターンは3タイプ
山脈型
トップからインパクトにかけて腰がスムーズに回転していない波形パターンです。手打ちやスウェーはこのタイプです。
ひと山型
腰は回転しているもののスピードが遅かったり、効率的に腰を動かせない人です。スムーズな体重移動ができていなません。
ふた山型
理想の波形パターンです。スイング中に腰の回転に一度ブレーキをかけることで、結果ヘッドが加速します。
ポテンシャル飛距離はあくまでポテンシャル
ポテンシャル飛距離というデータ計測がこのセンサーの大きな魅力の一つです。しかし、これはあくまでポテンシャルで、実際の飛距離とはまったく関係ありません。
たとえば、チョロしても腰の回転するタイミングや速度のクオリティさえ高ければ、このデータは上がります。
曖昧な印象になるかもしれませんが、ゴルフスイングという複雑な動作において、特定の部位の動きについて正確に客観的に把握できる、というメリットがあります。
グッドショットを打とうが、チョロになろうが、良い動きは良いとされ、そうでない動きは良くない計測結果になるのですから、スイング中の腰の動きを明確に把握することができます。ショットの結果に惑わされることなく、腰の動きの良し悪しを把握できるのです。多くのゴルファーは惑わされてるんですよねぇ~。
腰の角度・移動量・スイングリズムも計測!
腰の角度
前傾角・回転角・水平角を計測することができます。アドレス時、トップオブスイング、正面回転(0°)時、フィニッシュ時、のそれぞれの角度の変化が分かります。
腰の移動量
上下左右前後の腰の移動量が計測できます。アドレス~トップオブスイング・トップオブスイング~正面回転(0°)・正面回転(0°)~フィニッシュでの上下左右前後それぞれの移動量が分かります。これは、膨大のデータを元に算出される『相対評価』になります。例えば、「アドレス~トップオブスイングでは、平均値に比べて右への移動が大きい」といった事などが分かります。
スイングリズム
スイング中の各ポジションから各ポジションまでかかってた時間(秒)を計測できます。アドレス~トップオブスイング・トップオブスイング~正面回転(0°)・正面回転(0°)~フィニッシュでの時間(秒)の計測です。
最終的に飛距離を決定するのは、腰の動きだけでなく、腕の回旋動作や手の軌道等と合わせて決まる
腰の動きの質が高いだけでは、飛距離を出すことはできません。体の動きの部分でいうと、腰の動き、腕の回旋動作、手の軌道等が組み合わさって決まります。
上達する為には、ポイントを絞って取り組む必要があります。その点で『腰』というポイントに焦点をあて、その腰に関する細かな情報を獲得することができるHIP SPEEDERは、効率的な練習をするためには、とても役に立つツールといえるでしょう。