2019年5月2日(木)~5日(日)に開催した中日クラウンズは宮本勝昌選手の優勝で幕を閉じました。そして、同大会に出場した石川遼選手は、2日目のラウンドスタート前に棄権しました。
理由は「第5腰椎ヘルニア」の症状とのこと。4月18日(木)~21日(日)に開催した、男子レギュラーツアー開幕戦の東建ホームメイトカップに「腰痛」を理由に欠場していました。
今後のツアー出場は不透明な様子です。ツアー出場選手が「腰痛で棄権」は、珍しいことではないですが、これほどの選手なのでクローズアップされます。
解剖学上、腰椎の可動域は5度。股関節や胸椎の可動域を最大限に活用しても足りず、USPGA復帰ための飛距離を出すためのスイングが腰椎に負担をかけたのか。
石川遼がプロ転向後初棄権、腰椎ヘルニア回復せず(日刊スポーツ) https://t.co/8fnBsXsHij
— Golfers Support / ゴルファーズサポート (@golfer_support) 2019年5月3日
「ドライバーで350ヤードまっすぐ飛ばす」ことを目標にしていた
石川遼選手は15歳でアマチュアとして出場したツアーで優勝し、「ハニカミ王子」として一躍時の人となりました。
そしてその時すでに「バーディをたくさん取る。その為にはドライバーで350ヤードまっすぐ飛ばす」ことを目標にしていました。実際、当時から飛距離はツアーでも上位に入るものでした。
今も体は小さいですが、当時はもっと細い身体の線でありながら、飛距離にこだわるスイングの負担が身体に蓄積し、今回の事態を招いてしまったのでしょうか。
昔は超ワイドスタンス
昔は、かなりスタンス幅が広い「超ワイドスタンス」でした。積極的な体重移動と、速い身体の回転でボールを強く叩いていました。
15歳、アマチュアでのツアー優勝や、日本ツアー賞金王のタイトルは、この鋭いスイングあってのものでしょう。しかし、スタンス幅は広ければ広いほど、腰への負担は大きくなります。スタンス幅が広いと、身体全体が回りにくくなる分、腰を回す”代償動作”が行われてしまうからです。
さらに、ゴルフクラブを振ることで生じる遠心力が、最も大きくなるダウンスイングでは上体が右に傾きやすく、腰に余計なよじれを生んでしまいます。これもまた、腰への負担が大きくなる要因になります。
スポーツ選手の身体は消耗品
プロゴルファーの身体は消耗品です。使えば使うほど、ひずみは生まれやすくなります。身体のケアをしても万全であり続けることは難しいでしょう。
最近の石川遼選手は、以前に比べてスタンス幅が狭くなり、バランス重視のスイングになってきており、身体への負担は減ってきていると思いますが、小学生時代からゴルフを始め、蓄積した勤続疲労が今、出ているのでしょう。
腰痛を予防、改善するために
一般ゴルファーの中にも、普段、腰痛に悩まされている人は多いのではないでしょうか。できる限り、健康で長くゴルフを楽しみたいですよね。その為には腰に頼らず、無理なく体を回転させらる体づくりを目指したいところです。
無理なく体を回転させるために「胸椎」や「股関節」の可動域をできる限り広げるようストレッチなどを行いましょう。腰痛予防、改善のためだけでなく、より良いスイング作りのためにもなります。
石川遼選手は日本ゴルフ界の宝
石川遼選手はUSPGA復帰を目標に、ゴルフに取り組んでいるようです。ツアー優勝から遠ざかっている現実、今回の怪我、と、ネガティブな部分が目立っていますが、間違いなく引き続き日本のゴルフ界を引っ張っていくべき存在です。
ツアー復帰とか、ゴルフ云々のことは置いておいて、まずは腰の不安がなくなるように、治してもらいたいですね!?そして、またUSPGAツアーへ!